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無垢材で造られた建具

最終更新日:2019/05/24

開け閉めができる、出入り可能なドアや引き戸のことをを建具(たてぐ)と呼びます。 建具は大きく2つに分けられ、外と室内を区切っている玄関や窓を外部建具、室内のドアや引き戸を内部建具と言います。

ここでは内部建具のうち、無垢フローリングでもお馴染みの無垢材で造られた建具をご紹介します。 エコリフォームでもよく採用している素敵な建具です。

本物の良さが味わえる、無垢の建具

内部建具はインテリアのイメージを決める重要な要素です。

昔は建具屋さんと呼ばれる職人さんたちが建具を一枚一枚造っていましたが、徐々にメーカーの既成品の建具が広く出回るようになりました。 今では建具屋さんが関わる現場は、とてもこだわった住宅や、リフォームなどで既製品の建具が合わない住宅などになり、建具屋さんの出番もだいぶ少なくなりました。

建具は様々な素材で造られます。 一般的なのは「ラミネート建具」と呼ばれる、合板の下地にデザインシートを貼った建具です。 ラミネート建具は比較的安価で、たくさんの色やデザインから選べるという利点があります。

一方で、本物の良さを求めて、自然素材の建具を選ばれる方も徐々に増えています。 そこで注目されているのが、無垢の建具です。

安価な建具は中が空洞になっていますが、無垢の建具は天然の木の板を組み合わせて作られているので、中まですべて木製です。

無垢の建具には、スギやヒノキ、パインなど、様々な無垢材が使われています。 木の良さをそのまま活かす自然塗装と、汚れがつきにくいウレタン塗装があり、インテリアのお好みに合わせて違った雰囲気に仕上げることができます。

無垢の建具のメリットとデメリット

調湿効果などのメリットが多い無垢の建具ですが、もちろんデメリットもあります。 無垢の建具を採用する前に、デメリットも知っておきましょう。

【メリット】

  • 高い調湿性

    無垢の建具は、無垢材の調湿性がそのまま活かされます。ウレタン塗装仕上げではラミネート建具の3倍、自然塗装仕上げでは7倍もの調湿効果があります。

  • 経年で味わいが増す

    ラミネート建具は、経年するとどうしても劣化した印象になりますが、無垢の建具は、経年によって色ツヤが変わり、味わいが出てきます。

  • 天然木なので安心

    接着剤などを使用するラミネート建具と異なり、無垢の建具は天然の木を組み合わせて造るので、有害な化学物質を発散する心配がありません。

  • 補修が可能

    よほど深いものでなければ、キズがついた部分を削って補修することが可能です。

【デメリット】

  • 木目が均一でない

    無垢の建具は、天然の木の木目を持っているので、カタログやサンプルのイメージとは異なる場合もあります。

  • 反りや割れが出る可能性がある

    無垢材を使っているからこそ、板が反ったり割れたりする可能性がないとは言えません。

  • 比較的高価

    無垢の建具は職人が造作するため、大量生産のラミネート建具と比較すると、無垢の建具の方が高価です。

  • メンテナンスが必要

    無垢の建具はオイルやワックスでのお手入れが必要ですが、その手間によって経年の美しい変化が得られます。

無垢材についてはこちらもご覧ください。

参照:無垢材の良さとは?

桐の建具

建具に使われる無垢材は、スギやパインなど様々ですが、人気の無垢材の一つ、桐材の建具をご紹介します。

桐は軽量なため、建具にすると軽い力で開け閉めができます。 お子様やお年寄りとお暮らしの方にもオススメの素材です。

桐と聞いて、桐のたんすをイメージする方も多いと思います。 桐のたんすは、中が湿気にくく、経年で汚れても削り直しをして長く使えることで有名ですね。

桐の建具も、桐のたんすと同様の特性を持っています。

桐の建具の特長

柔らかく軽い

桐は強度がそれほどないので、柱や梁としては利用できませんが、柔らかく軽いため、人が直接ふれる場所に向いています。 床や家具、そしてドアや引き戸といった建具にもピッタリの、人に優しい木材です。

桐の軽さは空気層を多く含むためで、日本国内で1番軽い材料といわれています。

断熱性が高い

桐の空気層は、桐の断熱性の高さにもつながっています。 スギが断熱性を発揮するのは厚さ60mm以上と言われていますが、桐の断熱性は12mm程度から発揮されます。

桐の建具は室内環境も快適に保ってくれるのです。

人にも地球にもやさしい

軽量な桐の建具を使うと、ご高齢の方でも楽に開け閉めできるようになります。 これも一つのバリアフリーですね。

また、桐の木はとても生長が早く、15~20年で建築部材として利用できる太さになるため、生長が遅い樹木の乱獲を防ぐことができます。 桐材は長く使えることもあり、桐は地球にもとても優しい木なのです。

経年で美しくなり、キズも修復可能

桐は自然な色味で、無垢フローリングや自然素材のクロスにも合います。 時間が経過するにつれて色合いが変化し、味わいを増し、表情がとても豊かになるのも利点です。

また、桐の建具にキズがついてしまった場合は、スチームアイロンで修復することができます。

ピノアース

私たちのリフォームでもよく採用しているウッドワンさんの建具「ピノアース」をご紹介します。

ウッドワンさんは、広島県で昭和10年に創業された木材屋さんですが、現在ではオースラリアに広大な森林を持っているという、木製住宅建材の専門メーカーです。 床材や建具だけではなく、木製のキッチンや洗面台まで、豊富な木製品を取り扱っています。

ピノアースは、暖かみのあるパイン材を使った建具のシリーズで、無垢のフローリングとの相性も良く、優しい雰囲気の空間になります。

シンプルなものから、ステンドグラスのようなデザインガラスが入ったものまで、デザインバリエーションも豊富です。 カラーも、ナチュラルな木の色合いを活かしたカラーや、ホワイト系のカラー、ダークカラーまで揃っていて、インテリアに合わせて選ぶことができます。

の呼吸を妨げるコーティング加工ではなく、木の味わいをそのままに調湿性を活かせる自然塗装がオススメです。

リフォームでは、既存の建具と新しい建具を交換することも多いですが、デザインがどんなに気に入っていても、サイズが合わないと採用できません。 ウッドワンさんの建具はサイズのバリエーションが比較的多く、合うサイズが見つけやすいのもポイントです。

王国のドア

岩手県遠野市に建具や家具の製造販売を行っている協同組合 ノッチ・アート遠野さんがあります。 ここで造られているのが、エコリフォーム一押しの建具「王国のドア」です。

ノッチ・アート遠野さんは、林業、木材加工産業、住宅産業などの枠組みを超えた地域総合産業の共同機構「森林(もり)のくに・遠野」の一員です。

遠野三山のひとつ、六角牛山の山懐に広がるカラマツやアカマツ、スギなどの森林が約30haも広がっています。 森林のくに・遠野では、この森林の木を遠野で加工し、木材の価値を高めて活かし、また山に木を植えて森林を守るという、遠野式の循環型林産業を推し進めているのだそうです。

ノッチ・アート遠野さんが造る、遠野の木材を使った無垢の建具には、木の温もりと優しさが感じられます。 王国のドアも、使い込むほどに色合いや光沢などに味わいが増し、お部屋に暖かな雰囲気をプラスしてくれますよ。

写真のお住まいでは、スギ材で製作された王国のドアを採用しました。 ス ギの美しい木目を眺めているだけで心が落ち着きますね。

オリジナルのサイドボード

収納の扉も建具の一つです。

こちらはオリジナルで造作した壁一面のサイドボード。 中央にテレビを、下段には録画機器を設置でき、両脇の収納スペースには本やDVDなどがたっぷりしまえます。

お部屋に合うサイドボードが欲しいと思っても、既成品の中からぴったりサイズの家具を探すのは容易ではありません。 リフォームに合わせて、こうしたオリジナルの造作家具をオーダーすることをオススメします。

造作家具も、建具の仕上がり一つで、また雰囲気が変わってくるものです。

建具と壁一面の収納

ホワイトの建具で仕切られた個室に、壁一面のオリジナル収納を造作しました。 たっぷりとした収納スペースがあり、しまうものを限定しません。 棚板の高さも自由に調整できるので、フレキシブルに使えます。

実はこの収納、移動して間仕切りとしても使えるようになっています。 無垢材を使い、身体に害のない自然塗料で仕上げました。

建具に合わせてオリジナル収納を造作してみるのも楽しいかもしれませんね。