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地震と建物

最終更新日:2021/03/30

大きな窓がある家は地震に弱いですか?

文京区の築50年以上の木造住宅に住んでいます。

最近、地震が心配で耐震リフォームを考えるようになりました。

大きな窓がある家は、地震に弱いと聞いたのですが、本当ですか?

うちは南側がほぼ全面、大きな窓になっています。 やっぱり地震に弱いのでしょうか?

(文京区・N様)

大きな窓がある家の耐震性に関するご質問ですね。

一級建築士・耐震設計士の塩谷敏雄がお答えします。

塩谷敏雄プロフィール

大きな窓があるだけで地震に弱いとは言えません。

ポイント

  • 建物は建築基準法に則って建てられています。
  • 現行の法律に合わない既存不適格の建物は注意が必要です。
  • まずは耐震診断をオススメします。

法律に則った建物は基本的に安全

窓やドアなどを建物の「開口部」と言います。 開口部の大きい家は、開口部の小さい家に比べれば耐震性は下がりますが、開口部の大きい家がすべて地震に弱い、というわけではありません。

住宅は、建築基準法の規定に合わせて開口部の大きさや壁の量を計算して設計し、きちんと確認を取った上で建築されます。安全性の基準が法律で定められているのです。

例えば、大きな窓があっても、家の中に壁が多ければ、問題ないという計算結果になることがあります。 南側に大きな窓があるというだけで、地震に弱いとは言い切れないのです。

腐食が見られた土台や柱を交換して、安心できる建物に。集中的な耐震リフォームで費用を抑えることができました。(墨田区・U様のリフォーム事例より)

しかし、既存不適格の建物は要注意

法律に則っていると言っても、「既存不適格」の建物は注意が必要です。 既存不適格とは、現行の建築基準法が施工された時点で既に存在していて、現行法に対して不適格な部分が生じた建築物のことです。

建築基準法は、1950年の施行以来、1981年と2000年に大きく改定されました。 耐震性や面積制限などは、改定のたびにより厳しい基準へと変化しています。

例えば、築50年の家は1950年の建築基準法に合わせて建てられているので、おそらく2000年の建築基準法は満たさないと思われます。 築年数の長い建物は、多くが既存不適格となっているのです。

既存不適格で建て替えが難しい立地のお住まい。構造から見直して再生し、耐震性を上げるリフォームを行いました。(江戸川区・K様のリフォーム事例より)

耐震診断をオススメします

まずは、現在の建物が地震に強いのか、弱いのかを知ることが大切です。ご質問の建物も築50年以上ということなので、ご心配であれば、耐震診断してみることをオススメします。 耐震診断について詳しくは下記をご覧ください。

耐震リフォームの方法

耐震診断では建物の弱い部分も明らかになります。例えば、やはり大きい窓のある南側が弱いという結果が出た場合は、南側の窓を小さくしたり、南側に壁を増やしたりする工事を行います。 どのような耐震リフォームをすればいいか判断するためにも、まずは耐震診断が必要です。

なお、既存不適格の家であっても住み続けることはできますが、増築や建て替えの際は現在の建築基準法に適合させなければなりません。今後も同じ家に住み続けたいということであれば、耐震リフォームを行った方が良いでしょう。

こちらのお客様は建て替えで新築も可能でしたが、セットバックが必要なことからリフォームを選ばれました。(江東区・Y様のリフォーム事例より)

同様のご質問に動画でも回答しています。合わせてご覧ください。

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