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最終更新日:2019/02/28(2019/02/28公開)

日本の民藝

毎日使う食器や調理器具の中にきっと、よく使うお気に入りのものがあると思います。改めて「何でよく使うのかな」と考えてみると、「使いやすいから」「手になじむから」などの答えが見つかりませんか。
日常の中で何気なく使う、名もない職人たちがつくったモノには、簡素で飾らない美しさ「用の美」があるといいます。この用の美を大切にしているのが「民藝」です。
今回は、ちょっと難しそうだけど知っておきたい日本の民藝についてご紹介します。

民藝といえば...
柳宗悦ってどんな人?

「民藝」という言葉を使い始めた人として知られる柳宗悦(やなぎ むねよし)。日本を代表する思想家で、文芸誌『白樺』の創刊にも参加したそうです。
東京帝大を卒業した後、朝鮮陶磁器の美しさに魅了され、無名の職人がつくる民衆の日常品の美に開眼。日本各地の手仕事について調べ蒐集する中で、1923年(大正14年)「民藝」という新語をつくり、民衆的工芸品の美を称揚する民藝運動を始めました。

民藝運動ってなに?

柳宗悦が濱田庄司、河井寛次郎らと共に始めた運動で、民衆の暮らしの中から生まれた民藝に美しさを見出し、人々に広く知ってもらおうとする活動です。それまで美術界にほとんど評価されていなかった、普段使いの日用品の中にこそ美があるとして、日本各地の工芸品が集められました。
柳宗悦の『工藝の道』には、「用と美が結ばれるものが工芸である」「器に見られる美は無心の美である」など、民藝運動の基本となる考えが示されています。

1934年(昭和9年)に民藝運動の主体となる日本民藝協会が設立され、1936年(昭和11年)には、目黒区駒場に日本民藝館が開設されました。日本民藝館は第二次大戦後も民藝運動の拠点として活動を続けています。

●日本民藝館

日本民藝館は本館と新館に分かれ、本館の大部分は建築当時のまま使われています。建物自体が用の美を表していると言えそうです。

所蔵品のほとんどは柳宗悦が蒐集したもので、日本をはじめ朝鮮半島、台湾、中国、欧米の民藝品が約17000点あるそうです。朝鮮時代の陶磁器や木工、日本各地の古磁器、アイヌの衣装やアイヌ玉と呼ばれる首飾りなど、多くの収蔵品が国内外で高い評価を得ています。

日本の民藝品いろいろ

その土地の自然素材を使い、手先の器用な日本人の技を生かしてつくられた民藝品の数々。各地の代表的な民藝品をご紹介します。

北海道木製のマグカップや皿、バターケースなど

良質で豊富な森林資源を生かした民藝品が有名。高い技術力と洗練されたデザインで、木材を美しい日用品に変身させています。

東北あけびのカゴ、まげわっぱの弁当箱、ブナのお盆など

東北のものづくりには冬の寒さに耐える力強さとおおらかさが感じられ、あたたかみと繊細さが同居した民藝品が特徴です。

関東江戸切子のぐい飲み、寄木細工の小物入れ、シルクのネックレスなど

良質で豊富な森林資源を生かした民藝品が有名。高い技術力と洗練されたデザインで、木材を美しい日用品に変身させています。

中部美濃焼、美濃和紙、新潟三条の金属、三河木綿など

中部地方の山側では和紙づくり、日本海側では仏具や金属加工などの技術が、時代を経た今でもなお栄えています。

近畿伊賀陶土の土鍋、松阪木綿、清水焼など

日本の伝統文化発祥の地と言える近畿地方では、古来から受け継がれてきた丁寧で美しいものづくりの技が光ります。

中国・四国倉敷帆布のバッグ、岡山デニム、播州刃物、土佐和紙、今治タオルなど

豊かな森や清らかな水など大自然に恵まれは、木製品やきれいな水から産まれる民藝品がつくり続けられています。

暮らしに民藝を取り入れよう!

民藝について知ると、実際に暮らしに取り入れてみたくなりますよね。都内で民藝品が手に入るおすすめスポットをセレクトしました。

新宿区若松町備後屋

地下1階から4階まで全国各地の民藝品でびっしりのお店。器をはじめ、布、箱、便箋、団扇、おもちゃなど、ありとあらゆる種類の民藝品が並べられています。
オープンから50年以上。民藝初心者からベテランまで、訪れる人を飽きさせない圧倒的な品揃えが魅力です。

中央区銀座たくみ

「地方の民藝品を振興し、現代生活に適したものとして普及するための店」としてオープンしたのは80年以上前のこと。店内は陶磁器、漆器、家具、和紙など手仕事が光る民藝品でいっぱいです。
月に数回テーマを決めて民藝品の展示会も行われているので、こちらも要チェック!

杉並区高円寺cotogoto

食器や調理器具、掃除や洗濯の道具といった家事まわりのモノが揃うお店。日本で暮らす人のために、日本の人が、日本の素材を使って丁寧につくりあげた家事道具がセレクトされています。
ネットショップもありますが、実店舗でしか売っていない品もあるそうですよ。

渋谷ヒカリエd47

都道府県ごとに47の展示台を常設し、講演やワークショップを行っているデザイン物産美術館「d47 MUSEUM」。併設されている「d47 design travel store」では、その土地ならではの工芸品や食品が販売され、47都道府県の個性と魅力を伝えています。

台東区浅草浅草くるり

浅草と鎌倉にある風呂敷と手ぬぐいの専門店。日本の伝統的な文様のものから、今どきの斬新なデザインまで、300種類以上の手ぬぐいが揃います。手ぬぐいとして使うだけでなく、ポスター代わりに部屋のインテリアにするのもおすすめです。

中央区日本橋伊場仙

創業は江戸時代の初期という、団扇と扇子の老舗。江戸一番の人気を誇っていた浮世絵の団扇は、一生モノの逸品です。
伊場仙は浮世絵の版元としても知られていて、浮世絵や現代作家の作品を展示する浮世絵ミュージアムも併設されています。

民藝品と聞くと温泉場のお土産物を想像しがちですが、本当の民藝品とは、日本の暮らしに根付いているものなのですね。

日本ならではの民藝品を手にすると、今よりも少しだけ丁寧に暮らせそうな気がします。長い間使い続けて味わいが出てくるのも楽しみです。

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