こんにちはエコリフォームのコーディネーターの阿部です。
インテリアコーディネーターになってもうすぐ20年になります。
私が今までお客様とキッチンを見に行ったり、実際に自分が家を建ててキッチンを選んだりした際に、つけなくても十分便利に使えているな~という設備をご紹介します。
あくまでも私の主観なので、皆様全員に当てはまるわけではないのでご了承下さい。
もし予算に限りがあるのでしたらここは省けるな~という参考程度に見て頂ければ嬉しいです。
吊戸の昇降機
お客様とショールームに行って、実際に設備を見ながらひとつひとつ仕様を決めていくのですが、必ず『これが欲しい!』となるのが吊り戸の昇降機付収納!
リフォームをご希望の方、困っているのが収納です。その為少しでも収納を増やしたい!でも吊り戸が不便な事は知っているので、これさえあれば上まで有効に使える!と思うのです。
ですがこの吊戸の昇降機、片づけが苦手な方、物があふれている方には向いていないのでおすすめしません。
なぜならば、昇降機付の収納はメカ(機械)が入る為、収納の容量は減ります。さらに上下に動くので、綺麗にきちんと収納しないと下がってきた時、もしくは上に上げる時に物が落ちます!!
昇降機付の吊戸棚収納は、収納や片づけが苦手な方には不向きです。
物を沢山詰め込んでしまうと、降ろそうとすると落ちてきてしまうため、使わなくなってしまいます。
通常の吊戸棚と同じ値段ならまだ付けることを止めませんが、オプションとして金額がはり、費用対効果が見込めません。
ハイグレードの扉デザイン
ショールームに行くと、デザイン性が優れたとってもカッコいいそして、大きなキッチンが一番前に ど~ん!!と飾ってあります。それを見るととってもワクワクしますよね。
こんなキッチンが家にあったら毎日お料理するテンションが上がるわ~♪と思うようなキッチンです。ワクワクしながらこのカッコいい仕様で見積を依頼すると予算の2倍3倍の金額になる事も珍しくありません。
ショールームの一番目立つところ、入って一番先に目に入る場所には、そのキッチンの最上級グレードのキッチンが展示されている事が殆どです。
それを見てしまうと、下位グレードのキッチンが安っぽく見えてしまいがちですが、キッチンは作業する場所です。
予算が有り余るほどあるのであれば、その最上級グレードでもよいのかもしれませんが、少しでも削減したい方は、キッチンの見た目ではなく作業がしやすいかどうかで選択してください。
キッチンは、少し奥まったところに設置するか、もしくは対面式のスタイルが多くなっています。その為、リビングから見えません。その見栄えにお金をかけるのであれば、リビングのソファーやダイニングテーブルを少し良いでデザインや機能性が気に入ったものにお金をかけた方が有効的なお金の使い方ではないでしょうか。
もちろん気に入ったカッコいいデザインの方がテンションがあがってお料理のしがいがあるという方もいると思います。ただ、好みやデザインの流行りは必ず変わっていきます。飽きの来ないシンプルなものを選ばれる事をお勧めします。
シンプルなデザインを選ぼうとするならば下位グレードでも選べますよ。
細かく区切られた収納オプション
最上級グレードのキッチンは、収納の内部も充実しています。
細かく区切れた収納や、包丁やまな板のスペース、細々したものを収納する小さな引き出しなど、魅力的な収納が沢山!ショールームで見ると、確かに便利そう!と思いがちです。
そこですぐに決定せず、ご自分の暮らし方を一度シュミレーションしてみて下さい。
はじめから細かく区切られているといざ収納しよう!と思った時に、自分の持っている道具が 入らなかったという事もあります。
今は、後でオプションをネットで買えたり、100均などで便利な収納グッズが沢山あったりする時代、実際に使ってみてから自分でカスタマイズしても遅くはありません。

『この収納は上位グレードしか付けられないんですよ~』の悪魔のような言葉に惑わされることなく、今、持っている道具をもう一度見直してみて下さい。使っていない物を思い切って処分して物を減らす事の方が、使い勝手のよいキッチンへの近道です!
ライン引手
ライン引手とは、引き出し収納を引き出す時に手をかけるライン状の取手の事です。
▼ライン取手のキッチン すっきりしていてカッコイイですよね。

ライン引手のキッチンが発売された当時は、キッチンがすっきり見える為とても人気でオプションの料金を払ってもライン引手にしたいという方も沢山いました。
確かに、扉一つ一つに取っ手がついているよりすっきりしているのでカッコいいです。
ただ、キッチンは作業をする場所!引き出しを開けるのは、通常の取手とライン取手どちらが開けやすいですか?
手が綺麗な状態だどちらも変わりないようですが、手が汚れていたら?どうでしょう。ちょと開けるのに、小指を引っ掛けてクイッと開けることができるのは通常の取手です。
▼取手がついているキッチン

ライン取手のキッチンと比べると少しごちゃごちゃしている印象ですが、ちょっと前に比べて取手のデザインもスタイリッシュでスリムな物が増えてきていますよ。
また、キッチンの引き出しを閉める時に、ガシャンと閉まらないようにソフトクローズ機能が付いた引き出しが多いのですが、このソフトクローズ機能の引き出しは引き出す時にちょっと力がいります。
お年寄りの方や、お子さんがいるご家庭は、ライン取手は使いにくいかもしれません。
もしどうしてもすっきりした見た目が良い場合は、押すと開くプッシュ機能付きの引き出しタイプを選ばれると良いでしょう。
吊り戸
吊り戸は賛否両論あると思いますが、我が家は無くて良かったです。そして年配の方ほど吊り戸は必要ないと私は思います。
なぜなら、吊り戸は高いところにある収納ですので、使い勝手が悪く常に使うものを置く場所ではありません。身長の低い方は、何かに乗らなくては届かない場合もあります。
お客様のお家にお邪魔して、吊り戸を拝見すると上の棚が空っぽだったり、使っていない物(≒いらないもの)が入っていたり有効に使っているお家は少ないです。
吊り戸を付けずに、手の届く高さに棚を設置する方が便利ですよ。

まとめ
ショールームに行くと、素敵なキッチンばかりでテンションが上がり、いつもなら選ばないような色や設備を選んでしまう事も、、、
プランをしてもらったら一度クールダウンの為に家にプランを持ち帰り、冷静になって本当に必要かどうか考えてみて下さい。省けて予算削減できる事が沢山見つかると思います。
迷った時は、キッチンは見た目より作業のしやすさで選びましょう。かっこ良さより日常の使いやすさです!
いつもお料理をしている様子をイメージしながら選んでくださいね。
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