築60年の家をリフォームするということ

エコリフォームのwebスタッフ柴田です。
webスタッフとして日々サイトのアクセス状況を調査したりしているんですが、最近、「築60年 リフォーム」で検索している方がけっこういるなーってことに気付きました。

そこで今回は、築60年の家をリフォームするってどういうことなのか、じっくり考察してみることにします。

タイトル画像:リフォーム事例「住まいもお店も、まるごと安心快適な築60年の家」より

築60年の家は古いのか?

築60年って、本当に古いんでしょうか・・・?
おっと、私たちがリフォームしているのは古い家が多くて、築70年以上のリフォーム事例が6件もあって、築90年とか築95年の家もあって、感覚が麻痺してました。

築60年の家は十分に古いです。
ぴったり築60年だとすると、建てられたのは1963年、昭和38年です。最近衰えを感じつつある私よりも歳上です。

当時、20代~30代で家を建てた人たちも、いまや80代~90代。亡くなったり、施設に入ったりされている方も多いことでしょう。そして代替わりをして、その子供世代である60代くらいのみなさんが、今リフォームをお考えなんじゃないかなと想像します。

築60年の家ってどんな家?

まずはこちらのリフォーム事例をご覧ください。「築年数 50年」とありますが、10数年前の事例なので、現在なら築60年余りです。

三世代が笑顔で暮らす二世帯住宅リフォーム
  • 家を敷地ギリギリまで建てている(現代ならもっと小さくなってしまう)
  • でも建坪16坪と、すごく大きな家というほどではない
  • 昭和30年代の映画で見たようなベランダが屋根の上に乗っている
  • 解体してみたら材木が細くて少ない
  • 配管が昔ながらの土管(今は塩ビ管らしいですよ)

という、築60年あるある状態な家でした。現代からすると信じられない感じですが、当時のごく標準的な工法で建てられた家だったそうです。

築60年の家の耐震基準

では、築60年の家の耐震基準はどうでしょうか。いかにも地震に弱そうです…。
アイジーコンサルティングさんのホームページにわかりやすい表があったのでお借りしました。

画像:アイジーコンサルティング「建築基準法の変遷 ~災害の歴史とともに~」より

1945年に太平洋戦争が終わり、5年後の1950年に建築基準法ができました。それから1981年までの31年間、建築基準法は大きな改正をしていません。つまり、1963年に建てられた家は「戦後基準」なんです。

1981年の建築基準法より前が「旧耐震基準」、後が「新耐震基準」と呼ばれますが、見ての通り、1963年は旧耐震もいいところ。いにしえの旧耐震です。となると、当然、耐震性に問題のある家がほとんどになります。

これはあくまでも「基準」なので、基準よりしっかり建てられた状態の家もあるでしょう。でも、大きな地震を経て知識と経験がプラスされた現代の基準には及ばないのです。

築60年の家のリフォームは大変

60年前と現代とでは、工法も建築基準も違うことがわかりました。では、そんな築60年の家をリフォームするとしたら・・・? やっぱり一筋縄ではいきません。

古くて劣化した箇所をただ新しくするだけでは、地震その他の災害に対して非常に弱い家になってしまいます。築60年ともなると、基礎を造り直したり、柱や梁を新しいものに交換したりと、大規模に手を入れる必要がでてくるのです。

例えばこちらのリフォーム事例。同じく10年ほど前に施工した築50年の建物です。

建て替えが難しい立地の築50年を構造から再生

家の外側よりも内側の方が低くなってしまい、いつも水が溜まっているような状態。土台は腐っていて、肝心の基礎はコンクリートのブロックを並べたようなものでした。

当初、再利用できる部分は再利用する予定だったのが、基礎と土台をまるまる新しくすることに。柱や梁などの構造部分も、ほとんど新しいものと入れ替えることになってしまいました。

ちなみに、建物がのったままで基礎工事をするのは非常に手間がかかります。

リフォーム事例をご覧いただくとわかる通り、築60年の家をリフォームするのはかなりの難工事なので、その分、費用もかなりかかります

そして、リフォーム工事はあくまでもリフォーム工事。「新築そっくりの見た目」になったとしても、「新築とまったく同じ強さ」にはならないのです。

まとめ:築70年、80年になってからを考えて

一般的な築60年の家は、寺社建築や海外の石造りの家と違い、何百年と保つように造られてはいません。残念ながら、いつかは寿命を迎えるのです。

10年経ち、20年経って、築70年の家、築80年の家になった時にも、まだまだ安心して暮らしていきたいと思うなら、今のうちに大規模なリフォームをしておく方がいいかもしれません。

これから先、家をどうしたいか、家族がどう暮らしていきたいかを考えた上で、納得のいくリフォーム計画を立てることをおすすめします。

その際はぜひ、エコリフォームのリフォーム事例を参考にしてくださいね。

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