減築に必要なのは、ズバリ、余裕

エコリフォームのwebスタッフ柴田です。
私の実家は2階建てで、家族みんなで住んでいる頃は部屋が足りないくらいでしたが、今では2階をほとんど使っていない状態です。高齢の母親は階段を上がるのが大変なようで、ここ数年2階に行ってないんじゃないかと思います。

そんな実家を見ていると、「今となっては、平屋で十分だよなあ」と思うわけですよ。「減築して、2階建てから平屋にすればいいのになあ」と。
ま、うちの実家は諸事情あって取り壊しが決定してるんですが、いい機会なので減築リフォームについて調べてみることにしました。

憧れの平屋イメージ。

みんなは減築したいのかな?

調べても減築に関する情報はあまりなくて、みんな減築に興味ないのかな…としょんぼりしましたが、面白い調査研究を見つけました!
国土交通省・国土交通政策研究所の調査研究『減築による地域性を継承した住宅・住環境の整備に関する研究(平成23年3月)』です。(ここから読めます

内容は、減築の効果の計測や、海外の減築事例の調査などですが、私の興味を引いたのは減築に関する意向調査です。戸建て持家に住む20歳以上の人、約1000人(ただし60代以上が多い)に聞いた、減築についてのアンケートになっています。

国土交通政策研究所『減築による地域性を継承した住宅・住環境の整備に関する研究』より

その内容は、まず4割の人が減築に興味があると答えています。やっぱりね~。
減築に興味がある人が多いのは、子供が独立する時期の50代の人たちですが、60歳以上になると割合が減るそうです。これは、60歳以上だと退職してる人が多くなるからではないかと考察されています。お金に余裕がなくなるのかもしれませんね。

国土交通政策研究所『減築による地域性を継承した住宅・住環境の整備に関する研究』より

さらに、部屋数の多い家に住んでいる人が減築したいと。これは当たり前ですよね。
そして、減築して余っている部屋を有効活用したいという人はそこそこ多いものの、そうでない人もいるという微妙な結果に。ま、減築しなくても、部屋の有効活用はできるからでしょうか。

まとめると、大きめの家に住んでいて、家族が減る(予定の)人たちが、減築に興味を持っているというところです。
減築することで、家をより暮らしやすい状態にしたいと希望しているのだと思います。

減築リフォーム、やってます

それでは私たちエコリフォームは…と思い返すと、減築リフォーム、やってるんですね~。
とは言え、東京23区内の狭小住宅を主に手がけているので、当然、減築リフォームの経験はそれほど多くありません。小さな家で減築したら、もう住むところがなくなっちゃいますから。
それでも、新しい事例から10年以上前の事例まで、減築を行ったリフォーム事例がいくつかあるので、ご紹介したいと思います。

増築部分を減築した事例

以前に増築した部分を減築リフォームしました。

こちらは最新のリフォーム事例です。
大家族でお暮らしだったのが、親子5人の生活になり、以前に増築した部分を減築することになりました。

普通に建てた家を真っ二つにするのはかなり大変な工事ですが、こちらの建物は増築部分を減築するので、比較的簡単にできたのだそうです。

かなり長い目で見て計画する必要がありますが、まずはこじんまりと暮らして、家族が増えたら増築、いずれ家族が減ったら減築、なんてできたらいいですね。

まあそのためには、そもそも敷地に余裕がないといけないわけですが…。

増築部分を減築した事例 その2

こちらも増築部分を減築した事例です。

こちらも上記と同じく、増築した部分を減築した事例です。この減築した部分には、お風呂がありました。

やはり以前はご家族でお暮らしでしたが、お子様が独立されてからは、物置のように使われていたのだそうです。もったいないですね~。
そこで、ご夫婦お二人で暮らすために、減築リフォームをされました。

増築部分を減築するのは比較的簡単と言っても、外壁をしっかり造らなければ耐震性が低下したり、水漏れが発生したりするので注意が必要です。

リンク先で減築工事の様子を詳しくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

お神楽の3階部分を減築した事例

もともとは3階部分がありました。

こちらは木造3階建てのお住まいですが、元は2階建てだったのだそうです。ご家族で暮らすにはスペースが足りなかったのか、かなり以前に3階部分を増築されました。
よくある「お神楽」ですね。

今回、スケルトンリフォームをするのに合わせて、3階部分は減築することになりました。ご家族で暮らしたご実家に、今度は一人で住まわれる予定です。

お神楽で増築した2階・3階部分も、減築しやすい箇所の一つです。しかしこちらも屋根をしっかり造っておかないと、雨漏りの原因になり、シロアリが発生することもあるのでご注意ください。

つなげた隣の建物を減築した事例

減築したのは、以前につなげた隣の建物。

次はちょっと珍しいタイプの減築リフォームです。
こちらの建物は35年前に新築し、30年前に2階部分を増築して、18年前に隣接する建物を購入して2つの建物をつなげたのだそうです。

お隣の建物が売りに出たら買ったほうがいいとは聞きますが、つなげちゃうのはスゴいですよね。

こうしてかなり広くなったお住まいですが、やはりお子様が独立して、お母様が一人暮らしをするために減築リフォームを行ったんだとか。その気持ち、よくわかります。

3階の増築部分を減築した事例

3階の一部を減築してベランダを広げました。

最後にご紹介するのは、3階の増築部分を減築して、ベランダを広くした事例です。こちらは二世帯住宅になります。

もともと3階の半分くらいはベランダだったのですが、後からここにプレハブの部屋とお風呂を増築されていました。1階を倉庫と車庫として使っていたため、苦肉の策でここにお風呂を造ったのかもしれません。

今回のリフォームで、リビングや浴室なども1階部分に設けたので、不要になった3階の増築は減築することになりました。
お陰で日当たりもよく、明るいお部屋になったそうです。

では、減築に必要なのは…?

と、5つのリフォーム事例をご紹介してきましたが、過去に増築した部分を減築した事例が多く見られました。
私が最初に思ったように、「2階建てを減築して平屋に」なんて乱暴な減築リフォームは、そうそう簡単にできないようです。

簡単にできない工事ということは、費用もそれだけかかってくるということになります。

読売新聞2022/6/14の記事です。

ちょうど先日、エコリフォーム代表の塩谷理枝が、読売新聞の記事にコメントしていました。

「築年数やメンテナンス状況で費用は異なる。追加費用が発生することもある」(詳しくはメディア掲載情報をご覧ください)

築年数が長かったり、あんまりメンテナンスしていないような建物だと、本当に新築で建て替えるよりもお金がかかったりするのです!
やっぱり減築リフォームは、お金に余裕のある人じゃないとなかなか難しいですね。

それでも愛着のある家を少しでも暮らしよくしたいと、減築リフォームを選ばれる方はいます。
減築に必要なのは、敷地の余裕お金の余裕、もう一つオマケに心の余裕なんじゃないかな、と思いました。


エコリフォームのサイトでは、減築リフォーム以外にもいろいろなリフォームの事例をご紹介しているので、ぜひ見てみてくださいね。

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