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木と植物のオイル(椿油・ヒノキ油など)

最終更新日:2022/06/22

自然塗料の中には、樹木や植物のエキスを使ったオイルがあります。 その多くは窓枠や柱、カウンターなどの木部に、仕上げ、艶出し用の材料として使われています。

誰でも知っている椿油から、一般の方にはあまり知られていない荏油まで、5種類のオイルをご紹介します。

自然塗料としてのオイルは、植物オイルを主成分としています。

オイル単独で使用できるものもありますが、溶剤で薄めたり、顔料や染料などを混ぜて使う場合もあります。

椿油

椿油と言えば、髪に塗ったり、スキンケアに使われるオイルというイメージではないでしょうか。

実は、椿油も自然塗料として使われています。 椿油に多く含まれているオレイン酸は、酸化しにくく浸透性が高いため、保湿剤や保護剤として利用できるのです。

他のオイルとバランスよくブレンドして使うと、木に塗布した際に、素材の痩せや反りを抑える働きをもたらします。

木製の家具や、木部の保護とツヤ出しに、椿油の使用を検討してみてはどうでしょう。

ヒバ油

青森ヒバなどで知られるヒバの木を、水蒸気蒸留することで取れるのが「ヒバ油」です。

ヒバ油の代表的な成分は天然ヒノキチオールです。ヒノキチオールには強い抗菌性を持ち、カビやダニ、ゴキブリなどの害虫を寄せ付けない防虫効果も確認されています。 天然のヒノキチオールは食品添加物にも認可されているほど人体にとって安心なもので、化粧品などにも広く使用されています。

他にもツヨプセン、テルピノーレン、リモネンなどが含まれ、これらが一体となってヒバの木を細菌や虫から守っています。

ヒバ油には優れた防虫効果があるため、シロアリ対策の防蟻剤に使用されることも多い塗料です。

他に、フローリングのワックスとしても使われます。ヒバ油を使用した水性塗料は、ほのかにヒバ油の香りがし、リラックス効果も感じられますよ。

ヒバ油の塗装後は、木目の味わいを生かした仕上がりになります。 人によってはアレルギーが起こる場合もあるそうなので、事前にサンプルなどで確認されることをオススメします。

ヒノキ油

ヒノキは高い耐久性から寺社の建材として広く用いられ、世界最古の木造建築である法隆寺でも、ヒノキが多く使用されています。

森林浴のようなさわやかな香りをもつヒノキ油には、高い防虫効果や抗菌作用、鎮静作用が認められます。

ヒノキ油の効能は古くから知られ、生活の知恵として活用されてきました。 現在では、アロマオイルとして使われるほか、ヒノキ風呂に使われたり、ヒノキ油のスプレーが消臭、防虫対策に疲れています。

他の自然塗料にヒノキ油を加えることで、防虫効果や抗菌作用、リラックス効果などを期待することができます。

ヒノキ油は天然成分ですが、アレルギーを起こすケースもないわけではありません。 体質に合っている自然塗料を選ぶようにしましょう。

桐油

「桐油」はシナ桐の種子から抽出した植物油で、木部の仕上げ塗装に使われます。

乾くのが早い乾性油で、比較的耐水性があり、木に塗った際に色の変化が少ないという特長があります。 白っぽい木材に塗っても色が変わってしまうことがなく、木材の元の色合いが保たれます。

乾くのが早いとは言え、完全に乾くまでには2~4日かかるので、乾燥促進のために他の油をブレンドする場合もあります。

桐油としていろいろな製品が販売されていますが、その一例として古童(こどう)さんの「木材保護油<桐油>」をご紹介します。

木材保護油<桐油>の特長

  • 天然成分の人と環境にやさしい塗料です。
  • 木のもつ表情をそのまま表現します。
  • 木の呼吸を妨げないので、無垢フローリングに最適です。
  • 木を保護し、めくれや剥がれをおこしません。

桐油は食用ではありませんが、皮膚に付着しても人体に影響はないため、安心して施工することができます。

また、桐油を塗った部分を日常的に乾拭きすれば、より美しい艶が出てきます。

荏油(えのあぶら)

「荏油」は、「えのあぶら」または「じんゆ」と呼ばれる、エゴマの種子を原料としたオイルです。

エゴマは韓国料理でもよく食べられている食材で、荏油(=エゴマ油)も、肌荒れや肝機能改善に効果があると言われ、食用にされています。

日本の工芸においては、荏油は古くから艶出しの塗料として使われてきました。

荏油を天然木にすり込むように塗ると、木材の内部に深く浸透し、素材本来の色や艶を引き出すことができます。 また、耐水性が増して、素材を長持ちさせることにも役立ちます。

荏油は100%植物油の自然塗料なので、有害な化学物質は一切含まれません。長い時間を過ごす住宅にも、安心して使用することができます。

家具や木部に荏油を塗る時は、まず表面の汚れを落としてから、サンドペーパーで表面を整えます。 オイルを塗らない部分を保護し、布に荏油を染み込ませて薄く伸ばすように塗り、最後に乾いた布で表面の油分を拭き取ります。

重ね塗りも可能ですが、塗りすぎると乾きが悪くなるため注意しましょう。