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最終更新日:2021/09/02(2010/04/03公開)

さくら・桜の使い道

さくら・桜の使い道

毎年春になると、お花見を楽しみにしている方も多いと思います。
日本中で美しく咲き誇る桜ですが、楽しくお花見するだけの花ではありません。
桜は、私たちの暮らしの中の様々なシーンで活躍しているんです。

観賞用としての桜

桜と聞いて一番に思いつくのは、やっぱり観賞用としての桜ですね。

「お花見」と言えば、ほとんどの場合「桜のお花見」のことです。 また、観賞用の植物が数ある中、桜の観賞だけに「観桜」という言葉が作られました。 桜はそれほど日本人に親しまれています。

桜の木は、大きな通り沿いや公園、河川敷などあちこちに植えられていて、桜が満開の時期は並木道がピンク色に染まります。 学校の校庭にも欠かせないし、お花見の名所となっているお寺や神社も少なくありません。

日本全国、どこにいても桜を観賞できるというのはしあわせなことですね。

庭木にはあまり向きません

桜は虫がつきやすく、病気にも弱いことから、育てるのになかなか手のかかる木です。 夏場はよく桜の木に毛虫がついているのを見かけたりしますね。

また、お花見で知られるソメイヨシノやヤマザクラなどの種類は特に生長が早く、あっという間に大きくなってしまいます。

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉もある通り、剪定が難しい木でもあります。 庭木にするのはあまりおすすめできません。

建築資材としての桜

桜(さくら)の木は、新築・リフォームするときに建築資材として使われています。

桜の無垢材は堅くて丈夫なので、無垢フローリングにもぴったりの素材です。 アメリカ産のブラックチェリーは、鮮やかな赤みを持つのに対し、国産の山桜は、桜の花を思わせるような柔らかく上品な色合いです。

キズもつきにくいため、敷居や玄関框などにもよく使われています。

なお、よく無垢フローリングに採用される樺桜(カバザクラ)は桜ではなく、白樺などと同じ樺の木の仲間です。

食用としての桜

桜の花の塩漬けをお湯に入れた「桜湯」は、お湯に入れた花がパッと開くのが縁起が良いと言われ、お祝いの席でよく用いられています。

桜湯を飲んだことがない方も、桜の花の塩漬けがのっているアンパンは食べたことがあるのではないでしょうか。 独特の良い香りがして、あんこの甘みが引き立ちますね。

花だけでなく、塩漬けにした桜の葉も親しまれています。一番人気があるのは、何と言っても桜餅を包んでいる桜の葉でしょう。

ちなみにサクランボは、セイヨウミザクラの果実で、観賞用の桜の実は大きくなりません。 一般的に観賞用の桜の実は食用ではないのでご注意を。

その他の使い道

桜の使い道は他にもいろいろ。樹皮も役に立つんですよ。

樹皮で作る樺細工

山桜の樹皮を使って作られる樺細工(かばざいく)をご存知ですか? 秋田の伝統工芸品で、小物入れや茶筒などが知られています。

はがして乾燥させた桜の樹皮を、型に入れて成形するか、木工品の表面に貼り付けて加工します。 非常に手間のかかる作業ですが、独特のツヤがある美しい仕上がりとなります。

燻製のスモークチップ

じわじわと人気が出ている燻製作り。 食材を煙で燻す燻煙剤として、桜のスモークチップが人気です。

桜の木で作られたスモークチップを使うと、ちゃんと食材に桜の香りがつくんだそうですよ。 桜の香りのするチーズやソーセージなど、考えただけでも美味しそうです!

樹皮を生薬として

ヤマザクラの樹皮は「桜皮(おうひ)」という漢方の生薬となります。

桜皮には、咳止めや解毒の作用があると言われています。江戸時代には毒消しの薬として用いられていました。

近年では、桜皮にアンチエイジング効果があるという研究結果が出ているそうです。

ピンクの桜染め

桜は染色にも使われています。 きれいなピンク色に染まる...と言うと、桜の花をイメージすると思いますが、実際には桜の枝や樹皮から美しい色が生まれます。

媒染によっても色が異なり、きれいなピンク色を出すのは難しいのだとか。 同じ桜の木でも、年によって色が変わったりするそうですよ。

桜にはこんなにいろいろな使い道があったんですね。

以前、千代田区で、枯死した桜の木をお箸や携帯ストラップなどのグッズに再生するプロジェクトがありました。

中野区の保育園では、伐採した桜の木を使って、遊具やおもちゃを作ったそうです。

使い道がたくさんある桜ですから、切った木もそのまま捨ててしまうのではなく、再利用できるといいですね。

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