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リフォーム全般

最終更新日:2021/07/02

柱がシロアリ被害にあっているようです。補修・補強を行うべきですか?

墨田区の築30年になる木造住宅に住んでいます。

最近、柱のまわりに木のくずのようなものが見られるようになりました。 柱がシロアリ被害にあっているようで、心配です。

これはリフォームで改善できますか? やはり補修や補強を行うべきでしょうか?

(墨田区・A様)

木造住宅のシロアリ被害に関するご質問ですね。

リフォームアドバイザーの塩谷理枝がお答えします。

塩谷理枝プロフィール

シロアリ被害は、早めの対策と補修・補強が必要です。

ポイント

  • シロアリ被害は耐震性の低下にもつながります。
  • シロアリを見つけるには蟻道をチェック!
  • シロアリ被害の改善方法と改善例をご紹介します。

シロアリの生態

シロアリは普段、床下などの暗くじめじめしたところで、木材などをエサにして活動していますが、5~6月になるといっせいに羽化し、羽アリとなって飛び出してきます。家のまわりで急にたくさんの羽アリが発生して、ようやくシロアリの被害に気づいた、という方も少なくありません。

羽アリはつがいになると、地中でタマゴを生みます。土の中で成虫になったシロアリは、木材を求めて、時にはコンクリートの基礎を食い破ってしまうのです。

シロアリは主に木材の中のセルロースという物質を好んで食べています。中でも、湿った木材に発生する腐朽菌が大好きなので、特に水まわりのシロアリ被害に注意しましょう。 水気の多い浴室や台所などが危ないのはもちろん、雨漏りや水漏れによって木材が湿ると、シロアリ被害の危険性が高まります。

浴室まわりの土台に水漏れがあり、深刻なシロアリの被害が見られました。(文京区・F様のリフォーム事例より)

これってシロアリ?

5月~6月頃に羽の生えたアリを見つけたら、それはシロアリかもしれません。 詳しくは下記の動画をご覧ください。

耐震性の低下にもつながるシロアリ被害

シロアリは、住宅の大切な構造である柱や土台を食い荒らし、 最終的にはボロボロにしてしまいます。 シロアリ被害だけで木造住宅が倒壊してしまうことはほとんどありませんが、建物の耐震性は著しく損なわれます。

阪神淡路大震災でも、シロアリ被害を受けて建物が弱くなっていたため、木造住宅が倒壊してしまった例が多く見られました。 耐震リフォームについては下記のページにまとめているので、こちらも参考にしてくださいね。

耐震リフォームとは?

スケルトンリフォームで解体した時に床下をくまなくチェック。浴室、洗面室の土台がボロボロになっていました。(足立区・H様のリフォーム事例より)

具体的なシロアリ対策の方法

シロアリ対策は、まずシロアリの出ている部分を確認し、撤去します。その後、耐力の落ちた木材を交換し、補強・補修を行いますが、シロアリ被害が広範囲に及ぶ場合は、大きなリフォーム工事が必要になることもあります。

その後、再びシロアリが発生しないよう、床下や水まわりなどに防蟻剤をまきます。防蟻剤によって耐用年数がまちまちなので、費用や住宅の種類により選択することをオススメします。

小手先のシロアリ対策では、いつまたシロアリ被害を受けるかわかりません。蟻道を見つけたら、プロの防蟻業者におまかせした方が良いでしょう。

後から増築した浴室全体にシロアリ被害が広がっていました。(江戸川区・M様のリフォーム事例より)

シロアリ被害を改善した例

大規模なリフォームをするために解体をして、はじめてシロアリ被害に気がつくことも多いものです。 シロアリ被害のある柱や土台を交換・補強するために追加工事が必要になることもあります。

ここではシロアリ被害を改善した2つの事例をご紹介します。

築45年の木造住宅

スケルトンリフォームのために解体したところ、シロアリ被害がかなり進んでいました。 キッチンに水漏れがあったため、シロアリを招いてしまっていたようです。 シロアリ被害を受けた柱はスカスカで、軽石のようになっていました。

傷んだ木材をすべて交換してから防蟻処理を行い、耐震性を大きく改善することができました。 (墨田区・K様のリフォーム事例より)

築23年の木造住宅

当初は内装リフォームを中心に行う予定でしたが、広範囲にわたってシロアリ被害が見られたため、お客様の同意を得て大幅に計画を変更した事例です。

建築当初の施工不良により雨漏りと水漏れがあったようで、大事な通し柱はボロボロ、窓付近にも多数のシロアリ被害がある状態でした。

交換可能な木材は交換し、交換できない部分は新しい木材で補強。水漏れのあった窓を小さくするなどして、耐震性を上げました。 (渋谷区・O様のリフォーム事例より)

家の現状を知ることが大切

近年の住宅は、断熱材がしっかり入っているので、住んでいる方が気がつかないうちに雨漏りしていることがあります。 雨漏りや水漏れがシロアリ被害を招くケースもあるので、定期的に点検することも大事です。

住まいの安全性を保つ上で大切なのは、建物の現状を知ることです。 シロアリによって耐震性が低下し、安心して住めない家になってしまう前に、ご自分の家の状態をしっかり把握しておきましょう。

断熱材の中の木材がかなり傷んでいます。壁の内部で雨漏りが進み、知らない間にシロアリ被害が広がっていました。(北区・I様のリフォーム事例より)

雨漏りとシロアリ

雨漏りはシロアリの原因ともなり、放置しておくのは危険です。一級建築士の塩谷敏雄が動画で解説します。

天井のシミはシロアリのサイン?

木造住宅の天井にシミができていたら、雨漏りや水漏れの可能性があります。 放置しておくと柱や土台の劣化につながり、シロアリの発生を招くこともあります。

詳しくは下記の動画をご覧ください。

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