このたび熊本県で発生した大規模な地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
また、お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に深くお悔やみ申し上げます。避難生活を余儀なくされている皆様が、一日も早く安心して日常を取り戻されることを、心より願っております。
正確な情報に基づいて行動することの大切さ
テレビやインターネットでは、刻々と被害の状況が伝えられています。しかし、災害発生直後は情報が錯綜し、被害の全容もまだ明らかではありません。
だからこそ、私たちは憶測ではなく、正確な情報に基づいて冷静に行動することが何より大切だと思います。
今回の地震では、国土地理院の速報解析により、熊本県八代市付近で最大約84センチの地殻変動が観測されたと発表されました。速報値であるため今後の解析によって変わる可能性はありますが、それほどまでに大地そのものが大きく動いたことを示しています。
10年前の熊本地震を思い出して
このニュースを見て、私は10年前の熊本地震を思い出しました。
2016年4月に発生した熊本地震では、震度7の地震が短期間に二度発生するという、それまでの常識を覆す出来事が起こりました。熊本城をはじめ、多くの住宅や建物が大きな被害を受け、ライフラインも長期間にわたり寸断されました。
あの災害は、「本震だと思っていた地震が前震だった」という衝撃とともに、日本中に地震の恐ろしさを改めて認識させました。
建築に携わる者として感じること
建築に携わる者として、あの熊本地震から学んだことは数多くあります。
住宅の耐震性能は年々向上しています。しかし、それでも自然の力は私たちの想像を超えることがあります。建物だけを丈夫にするのではなく、その建物を支える地盤や周辺環境まで考えなければ、本当の意味で安心できる住まいにはならないということを改めて教えられました。
私たちは普段、「土地は動かないもの」という前提で暮らしています。しかし、大地震ではその前提が崩れます。地面が数十センチも動けば、その上に建つ住宅だけでなく、道路、上下水道、擁壁、外構など、生活を支えるあらゆるものに影響が及びます。
見えない被害にも注意を
地震後、「見た目に異常がないから大丈夫」と思われる方も少なくありません。しかし、大きな揺れを受けた住宅では、基礎や構造部、屋根、外壁、給排水設備など、目に見えない部分に損傷が生じている場合があります。
また、地盤が変位している場合には、建物だけを点検しても十分とは言えません。
だからこそ、余震が続く間は無理をせず、安全を最優先に行動していただきたいと思います。そして状況が落ち着いた段階で、建物や地盤を専門家に点検してもらうことが、その後も安心して住み続けるための大切な一歩になります。
家は、人生そのもの
私はこれまで多くの住宅づくりやリフォームに携わってきました。その経験から強く感じるのは、住宅は単なる建物ではなく、家族の歴史や思い出が積み重なった、かけがえのない場所だということです。
災害の映像を見るたびに、失われた建物だけではなく、その中で営まれていた暮らしに思いを巡らせます。一軒一軒に、それぞれの人生があります。だからこそ、一日も早く安心して暮らせる日常が戻ることを願わずにはいられません。
過去の災害から学び、未来へつなぐ
日本は世界有数の地震国です。私たちは地震を止めることはできません。しかし、過去の災害から学び、備えを続けることはできます。
熊本地震、能登半島地震、そして今回の地震から得られる教訓を決して忘れず、一つひとつを今後の住まいづくりに生かしていくことが、建築に携わる私たちの使命だと考えています。
被災された皆様の安全と、一日も早い復旧・復興を、社員一同心よりお祈り申し上げます。

