住宅の「全壊」や「半壊」はどのように判断している?

地震と建物を考える

2019年11月22日 追記

台風15号に続き、台風19号(ハギビス)、台風21号(ブアローイ)によって、関東地方各地に被害がありました。被災された皆様にお見舞い申し上げます。

このページでもご紹介していますが、ご自宅が全壊・半壊・一部損壊などの被害を受けた場合は、まず罹災証明書の申請が必要です。その後、住宅を再建するまでの手続きについて、SUUMOのサイトにまとめられていましたのでご紹介します。

住宅再建のための「手続きとお金」

これから寒さが厳しくなる前に、皆様が日常生活を取り戻されることを願っています。


2019年9月27日 追記

今年9月9日に千葉県へ上陸した台風15号(ファクサイ)により、千葉県内をはじめとして多くの家屋に被害が出ています。今回の台風による家屋の被害認定に関しては、「内閣府 防災情報のページ」に情報が掲載されています。


「内閣府 防災情報のページ」

被害認定調査を迅速に進めるため、「全壊」「半壊」を判断するポイントがPDFで提供されていますので、参考にしてください。

被害に遭われた皆様が一日も早く生活を立て直すことができるよう願っています。

追記ここまで


先月18日に大阪の茨木市や高槻市・箕面市・枚方市などで大きな被害をもたらした大阪府北部地震から、1か月が経ちました。
被災された方は暑い中大変な思いをされていることと思います。

今回の大阪での地震は最大震度6弱という大きな揺れで、住家被害では全壊9棟、半壊87棟、一部損壊27,096棟と多くの家屋に被害が出ています(2018年7月5日現在、総務省消防庁データによる)。

では、この「全壊」や「半壊」は一体どのように判定しているのでしょうか?

「全壊」「半壊」の判断基準

罹災証明書に記載される建物の被害の程度は、内閣府の定める「災害の被害認定基準」等に基づいて「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」の4つの区分で認定されます。

この認定基準には、損壊した床面積から割り出す「損壊割合」と、損壊した部位の施工価格などをもとにした「(経済的)損害割合」があり、この基準に基づいて各自治体の職員が判定します。


(内閣府「災害に係る住家の被害認定の概要」より)

内閣府の防災情報ページでは、実際に被害認定に使われる調査票の記入例や、損傷程度の例も写真付きで詳しく解説されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

被害程度を自己判定する

今回の大阪北部の地震では、周期が0.5秒以下の「極(ごく)短周期」の地震波が主に観測されました。
この短周期の揺れは家屋自体は倒壊しにくいものの、屋根瓦がずれたり、ブロック塀や家具が倒れたりする被害が出やすく、実際に多くの住宅に一部損壊の被害がでています。

被害戸数の多い自治体では、調査依頼が殺到して職員の手が回らないため、申請者が撮った写真による自己判定方式の認定を行っているところもあるようです。


「写真で罹災証明」促進 高槻市、8割が即日発行 (写真=共同):日本経済新聞

自己判定方式とは被害の程度が半壊に満たない「一部損壊」であれば、写真を添えて申請することで、職員の調査なしで罹災証明書を発行できるというものです。
しかしここで困るのが、どの程度までが「一部損壊」で、どの程度からが「半壊」なのかということです。

どこまでか「一部損壊」で、どこからが「半壊」なのか?

以下に、具体的な損壊例とそれに対応した被害認定の図があります。


(内閣府「東海地震及び東南海・南海地震に係る 被害想定手法について」より)

こちらの表をみると、瓦や外壁が大きく崩れてしまったり、柱などの構造にかかわる部分が損傷してしまった場合に半壊以上と認定されています。
壁にヒビが入ってしまったり、外壁が少しだけ崩れてしまったという程度であれば、一部損壊の扱いになりそうです。

この自己判定でのポイントは
「決して自分の感覚だけで判断しないこと」
です!

記事の上部でもご紹介した内閣府の防災情報ページを参考にしたり、判断に困った場合は被害箇所の写真を撮ってお住まいの自治体に相談されることをおすすめします。

次回は、被害箇所の写真を撮る時に気を付ける点と、被災による保険金請求や減税についてご紹介します。

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