2018年6月18日に発生した大阪府北部地震の被災地では、住宅の屋根瓦が落ちる被害が多数発生しました。地震被害というと、この瓦が落ちてしまった屋根の映像をニュース等でご覧になる機会が多いのではないでしょうか。
今回は、この「瓦」について書いていこうと思います。
地震のあとの雨漏り被害
この度の震災はちょうど梅雨時期だったことや、7月初旬に発生した西日本豪雨災害があったことで、壊れた屋根からの雨漏りも多く、被災された住宅の方は大変な思いをされたことと思います。
被害戸数が多かったこともあってブルーシートでの応急処置が間に合わず、被害が大きくなってしまったようです。
大阪北部地震:非情の大雨 被災地、ブルーシート間に合わず – 毎日新聞
木造住宅に水は大敵!建物の中に水が入ってしまうと、木材が腐ってしまったり、シロアリが発生したりする原因になるので、屋根が損壊してしまった場合、雨漏り対策は迅速に行わなければなりません。
被害を受けたのは瓦屋根ばかり
まずは以下の写真をご覧ください。
こちらの写真は今回の地震で被害を受けた住宅を空から撮影したものですが、屋根の被害が出ているのは、すべて古い瓦の屋根だということが分かります。
瓦屋根は危険?
では、瓦の屋根は危険なのでしょうか?
結論から言うと、瓦だから危険というのは間違いです。
瓦は他と比べると重量のある素材です。現在のように耐震の基準が定められていなかった昔の建物は、地震で建物が揺れたときに柱などにかかる負担が軽くなるよう、瓦が落ちやすくなっているといわれています。大きな地震で屋根の被害が出ているのは、こういった昔の工法のお宅が多いのです。
現在では過去の震災などを経験して、住宅の耐震基準が定められ、瓦も落ちたりズレたりしにくいものになっていますので、瓦だからといって心配する必要はありません。
屋根瓦が古い工法かどうか見分けるポイントを解説している瓦屋さんのブログがあります。ご自宅の屋根がどんな工法か分からない方は、こちらの記事が参考になるかと思います。
>巨大地震で被害にあう瓦屋根とは?自分で確認できるチェックポイントを教えます! | 三州瓦の神清
屋根の重さは地震の揺れに関係する?
先ほど瓦は比較的重い屋根材であると書きました。これから建物の耐震化をお考えであれば、この「屋根の重量」にも注目していただきたいと思います。
上記で説明した通り、柱などの強度を高めて、瓦を落とさなくても揺れに耐えられる建物にするというのも一つですが、瓦よりも軽い屋根材に葺き替えて、屋根そのものの重量を軽くするというのも有効な手段の一つです。
次回は屋根の重量が地震の揺れにどのように関係するのか、もう少し詳しくご説明します。