気がつけば、今年最初のブログ更新となってしまいました。。。
時間の流れの早さに驚きつつ、本日は少し趣向を変えて「暦」について書いてみたいと思います。
今日は旧暦の元日です。
現在私たちが日常的に使っている新暦とは異なる時間の区切りです。
日本では、暦が最初につかわれたのは西暦604年といわれ、それ以来何と明治5年の改歴まで千数百年にわたり立春のころを年始とする太陰太陽暦が用いられてきました。
新暦は太陽の動きを基準にした暦、
旧暦は月の満ち欠けを基準にした暦。
どちらも同じ「時間」を示しているはずなのに、
不思議なことに、そこから感じ取れる季節感や空気感はどこか違って見えます。
旧暦は、月のリズムとともに暮らしていた時代の知恵とも言えます。
満月、新月、潮の満ち引き、農作業のタイミング――
自然の変化と生活がより密接に結びついていた時代の感覚です。
私たちが建築の仕事をしていると、
この「自然のリズム」というものを意識する場面が少なくありません。
日当たり、風の流れ、湿気、気温差などなど。
建物は常に自然環境の影響を受け続けています。
現代の住宅は高性能化が進み、
断熱性や気密性、空調設備によって室内環境は快適に保たれています。
しかし、どれほど技術が進んでも、
太陽の光や季節の移ろいから完全に切り離されることはありません。
冬の柔らかな日差し、
夏の強い陽光、
春の風、秋の乾いた空気。
これらは単なる気象条件ではなく、
私たちの心地よさや感情にも深く関わっています。

旧暦の考え方には、
こうした自然の変化を「時間」として捉える感覚がありました。
「立春」「啓蟄」「夏至」「白露」――
言葉そのものが風景や気配を連れてきます。
建物づくりも本来、
この感覚と無関係ではありません。
光をどう取り込むか。
風をどう通すか。
湿気をどう逃がすか。
それは機能の話であると同時に、
「季節と共に暮らす」という思想でもあります。
便利さや効率性を追求する現代社会の中で、
暦は単なるスケジュール管理の道具になりつつあります。
ですが、時折こうして旧暦に目を向けてみると、
時間の流れを少し違った角度から感じることができます。
急ぎすぎていないか。
季節を見落としていないか。
自然との距離が遠くなっていないか。
建物もまた、
人の暮らしと自然の間に立つ存在です。
だからこそ、
暦の話は決して昔話ではなく、
今の住まいにも通じる話なのだと思います。
旧暦の元日。
新しい一年の始まりとして、
時間と暮らしの関係をあらためて考える良い機会かもしれません。
今年もまた、
建物と暮らしについて静かに綴っていきたいと思います。

