「耐震」と「免震」「制震」の違い

地震と建物を考える

昨年、官庁などのビルやマンションで使われている免震ダンパーに検査データの改ざんが発覚し、大きな問題となりました。2020年の東京オリンピック・パラリンピック会場となる五輪水泳センターでも免震装置を交換するとのことで、その余波は年が明けても様々な場所に広がっているようです。

>五輪会場の免震装置交換 KYBデータ改ざん:日本経済新聞

私共のリフォームでよく行っている「耐震」工事と、上記の「免震」技術、そしてハウスメーカーのCMなどでもよく聞くようになってきた「制震」、どれも建物を地震の揺れから守るものですが、それぞれ役割が違います。
今回はこの三つの違いをご説明しようと思います。

耐震とは


耐震工事とは、建物が地震力に耐えられるように、柱や壁などをしっかりと固める工事を行うことを指します。

建築基準法には耐震の基準が定められており、建物を建てる際にはその耐震基準を満たした設計と施工を行わなければなりません。

耐震はすべての建物に当てはまる基本仕様、免震・制震はそこにさらに装置を使って揺れの力を吸収するオプションと考えるのがよいでしょう。

免震とは

免震は、字の通り地震力を免れる事によって 建物の倒壊を防ぐ技術です。

免震構造の建物は、建物と地盤の間に積層ゴムやオイルダンパーなどの免震装置を取り付け、地面の揺れを吸収して建物自体に揺れを直接伝えない様にしています。地面だけが大きく動き、建物の揺れが軽減されるので、室内の家具の転倒などを防ぐことができます。

免震装置は非常に高価なため、通常戸建て住宅で使われることはほとんどなく、公共施設や高層ビルなどに多く採用されています。

制震とは

地盤部分に大掛かりな装置を設置する免震に対して、制震は壁や柱など建物の内部に設置したダンパーの動きで建物の揺れを抑制します。

制震ダンパーは設置する場所によってさまざまな大きさや形のものがあり、免震ほどコストがかからないため、近年ビルだけでなく木造住宅にも採用が広がっています。

これからの地震対策

「耐震」「免震」「制震」の違いについては、動画でも解説したものを公開しています。

こちらの動画は何年か前に収録したものですが、基本的な考え方は変わりません。最近は地震に対する意識が高まっているため、今後は住宅などの小規模な建物でも制震を取り入れていくのが主流になると思われます。

とはいえ、制震を取り入れる住宅は「ある理由」によってあまり広まっていないのが現状です。次回は、制震がなかなか浸透しない理由についてご説明します。

>木造住宅に「制震」が浸透しない理由

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