いいじゃん、置き床

エコリフォームのwebスタッフ柴田です。

みなさん、「置き床」ってご存知ですか?
現場からのレポートブログ「リフォーム工事中のお宅をご紹介」でも、しばしば登場する置き床。私はリフォーム素人なので、「つまり、置いてある床だろうな」くらいのイメージですが、それだけじゃないですよね…。

置き床って、どんなもの?

そこで置き床について調べてみると、自社サイトにちょうどいいQ&Aがありました。『マンションの床の「置き床工法」について教えてください』というやつです。なーんだ、幸せの青い鳥はすぐそばにいたんですね。

置き床工法(そう、工法なんです)は、コンクリートに等間隔に置かれた脚の上にパネルを置き、さらにその上にフローリングを貼る工法だそうです。床が二重になるので、二重床とも呼ばれるんだとか。床下に空気層がある状態です。

置き床施工中の様子。空気層があります!

今どきのマンションはたいてい置き床になっているそうなので、私の住むマンションの部屋の下にも、たぶん空気層があるんでしょうね。部屋の床下がどうなってるか、考えたこともなかったです。

そういえば、昔勤めていたオフィスで、床をバコバコ開けてLANの配線をしたことがありました。あれも確か、置き床タイプのフリーアクセスフロアでした。

置き床以外の工法は?

意外と身近だった置き床ですが、ところで、置き床以外の床はどんな床なんでしょうか? 気になったのでこれも調べてみると、万協フロアーさんのサイトがわかりやすかったです。さすがフロアー専門の会社ですね!

マンションではコンクリートの上にクッション性のあるフローリングを貼る「直貼り」もあると。クッション性のあるフローリング…!? これもQ&Aで見たことあるやつだ。『マンションのふわふわしたフローリングを、固いフローリングに替えられますか?』ですね。なるほど、コンクリートの上に直貼りするから、ふわふわしたクッション性が必要になるわけか。

直貼りの床(イメージ図)

戸建住宅では「根太工法」があるそうです。束石と束で床下に空間を造り、その上に大引、根太を組んで、下地のベニヤ板を乗っけるという工法です。よく、神社などは床下が広くなってますよね。

根太工法の床(イメージ図)

それぞれの工法にメリット・デメリットがあって、時代の求めるものによって変わってきたんですね。

置き床のメリット・デメリット

置き床工法のメリットは、ズバリ!床下に空間ができることです。

  • 床下に空間があれば、配管がし放題。排水管を通すために床の高さを上げる必要もありません。万一の時もメンテナンスしやすいです。
  • 床下に空間があれば、断熱材も入れ放題。床下から冷た~い冷気が上がってくることもありません。プラス防音効果も。
  • 床下に空間があれば、段差も調整し放題。古いマンションの段差にけつまずいてコケることもありません。

置き床ならこんな風に、吹き込む系の断熱材「セルローズファイバー」をたっぷり吹き込むこともできちゃいます。(新宿区・K様のマンションリフォーム事例より)

置き床なら高さの違う床もフラットにできちゃいます。こちらのお宅では、和室部分の床が畳を入れるために低くなっていました。置き床を使ってバリアフリーな洋室になりました。(台東区・U様のマンションリフォーム事例より)


ただし、一部の部屋だけを置き床にしても、これらのメリットはほとんどないので、全体的に置き床にする必要があります。床全体をリフォームすれば費用もかさむので、お金がかかるのがデメリットと言えます。

また、置き床は直貼りに比べると高くなります。床が高くなれば、床から天井までの距離が短くなるので、当然、天井が低くなります。置き床の高さは数センチほどですが、もともと天井が低いお部屋では圧迫感を感じることもあるのが、もう一つのデメリットです。

置き床のフローリングは?

床を置き床工法にするのはいいとして、その上はどんなフローリングにすればいいのでしょうか?

エコリフォームでは、カバザクラやスギなどの無垢フローリングをおすすめしています。無垢材の調湿性は置き床でもバッチリ発揮されますからね。

もう一つのおすすめがコルクタイルです。コルクタイルは蓄熱性があり、冬でもヒヤッとしない床材です。ほんのり弾力があるので足にやさしく、水はねにも強くてお手入れも簡単と、夢のようなメリットがたっぷり。個人的にも超おすすめです。

置き床を採用したリフォーム事例

スケルトンリフォームなどの際に、置き床工法を採用したリフォーム事例をご紹介します。「リフォームで置き床にしようかな~」とご検討中の方、ぜひ参考にしてくださいね。

戸建ての置き床で、空間を広くした事例

はじめに紹介するのは一戸建ての住宅で置き床にした事例です。このお宅の場合は、基礎を打ち直した上に根太工法で床を作るよりも、置き床にした方が天井までの距離が長くなる=空間が広く使えるため、置き床を採用しました。

置かれる前の置き床。足がついている方を下にします。

また、もともと高さのあった玄関框も、置き床にすることで段差が少なくなり、そんなに苦労しないで上がれるようになりました。置き床にするとこんなメリットもあるんですね。ただし、あまり床を低くすると、立地によっては浸水する恐れもあるので注意が必要です。

置き床で断熱し、あったか~くなった事例

こちらはマンションのスケルトンリフォーム事例です。置き床を採用して、床下にたっぷり断熱材を入れ、音の反響を防ぐと同時に、あったか~いお部屋を実現しました。

置き床の下に断熱材を入れているところです。冬でも冷たくない床、最高です。

リフォーム完成時に私もお邪魔しましたが、少し暖房するだけで本当に暖かく過ごせました。調湿性が良い無垢フローリングは、壁の結露やカビ防止にも一役買っています。

置き床で防音。コルクタイル仕上げの事例

こちらもマンションのスケルトンリフォーム事例。置き床は振動が直接伝わらないため、防音効果が高いのですが、床下の空間に断熱材を施工することで、さらに防音効果がアップします。マンションでは床の防音規定があるところも多いですが、置き床でしっかり防音すれば安心です。

これ、置き床の足の部分なんです。

リビングには温水床暖房も設置して、コルクタイルで仕上げました。こちらのお宅にもお邪魔しましたが、本当にヒヤッとしないので快適でした。夏もサラッと過ごせますよ。

置き床+全面コルクタイルで仕上げた床。ほんと快適です!

まとめ:置き床、いいじゃん!

マンションリフォームでは、マンションによっていろいろ規定があり、床の構造を変えられないこともあります。でも、もし選べるなら、置き床(二重床)がおすすめです。

そしてリフォーム工事の際は、ぜひ置き床を置くところを見てみてください。「うちの床下、こんな風になってるんだ」と思うと、なんだか床がちょっと愛おしく思えるような気もします。いや、ちょっと、大げさか…。

マンションのリフォーム事例を集めた「エコリフォームのマンション」では、他にも置き床の事例をたくさん掲載しているので、ぜひチェックしてみてくださいね!

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