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最終更新日:2021/08/31(2011/01/30公開)

昔のお風呂はみんなサウナだった?

昔のお風呂はみんなサウナだった?

寒い日が続くと、お風呂が恋しくなりますね。
お風呂でゆっくり温まって、「ハァ~」と一息つくのが最高、という方もいっぱいいます。
そんな日本のお風呂、歴史を紐解いてみると、実はもともとサウナだったそうです。

日本のお風呂の歴史

最近、サウナ愛好者が増えていますね。 家でミストサウナを楽しんでいるという方も多いようです。

このサウナ、近代のものかと思ったら、日本でも非常に古くから親しまれているのだそうです。

湯船に肩までつかって温まる入浴方法が一般的になったのは、明治時代以降のことです。 それまでは、温泉が豊富に湧き出るところは別として、お風呂と言えば「蒸気浴」でした。

火を焚いて加熱した洞窟の中へ水をまき、発生した蒸気を浴びるのが蒸気浴です。 これはまさに、サウナですね。

江戸時代の銭湯も、ほぼサウナ

時代劇では、ときどき湯船につかるシーンがあったように思いますが、江戸時代の実際のお風呂は、ちょっと違うものだったようです。

江戸時代初期に誕生した銭湯は、下記のようなものでした。

  1. 釜に湯を沸かし、蒸気を浴槽内に送り込みます。
  2. 引き戸を開けて浴槽内に入り、戸を閉めます。
  3. 下半身は30センチほどの湯につかり、上半身は蒸気で温めます。
  4. しばらくしたら洗い場に出て垢を落とします。
  5. ぬるま湯や冷水で身体を洗います。

引き戸を開けて入る小さな浴槽が、まるで戸棚のようだということで、「戸棚風呂(とだなぶろ)」と呼ばれていたそうです。

大人気だった銭湯

やがて、引き戸の開け閉めが面倒ということもあってか、お風呂には小さな「ざくろ口」が設けられました。 せっかくの蒸気を逃がさないよう、出入口を小さくしたのです。

中は明かりがほとんどないため薄暗く、お風呂に入る時は、いちいち声をかけてから入らなければなりませんでした。 しかも混浴で、治安も良くなかったのだそうです。

現代の私たちから見ると、かなりマイナス面も多いように感じられる銭湯ですが、江戸っ子たちは1日に何度も銭湯へ行くほどの人気だったそうです。

蒸気浴の終わり

蒸気浴の銭湯は江戸時代末期まで続いていましたが、明治時代になると、外国人への配慮もあり、混浴禁止令が出されました。

同じ頃、男湯と女湯を分け、ざくろ口を無くして高い位置に窓を設け、湯船にたっぷり湯をはった「改良風呂」が考案され、評判となりました。 蒸気浴をやめ、現代の銭湯と同じ湯浴スタイルになったわけです。

ここに至り、古来から続いてきた蒸気浴の時代は終わりを告げました。

身体に良い蒸気浴=サウナ

江戸時代の蒸気浴は廃れてしまいましたが、1951年に初めて北欧式のサウナが作られ、1964年の東京オリンピック以降、日本中に広まりました。

今では温泉施設や銭湯、健康ランドなどで気軽にサウナを楽しむことができますね。

サウナが身体に良いというのは、よく知られていますね。身体が芯から温まり、血流が良くなるのが健康効果をもたらすそうです。 お湯につかることでも血流は良くなりますが、水圧がかかるため身体への負担が大きいと言われています。

江戸時代の人たちは、もしかしたら理にかなった入浴法を知っていたのかもしれません。

家庭でもサウナを楽しむ

最近では、家庭用のミストサウナも身近な存在となってきました。

ミストサウナは短時間で身体が温まり、節水にもなるなど、メリットも多い設備です。

ミストサウナ付きのユニットバスや、後付けできるミストサウナも発売されているので、お風呂のリフォームの際はミストサウナの設置を検討してみてはいかがでしょうか。

浴室内を暖かい霧で満たすミストサウナは、まさに現代の蒸気浴です。 ミストサウナで江戸庶民の気分を味わってみたいものです。

現在では、お風呂の楽しみ方も様々。

お風呂でテレビを見たり、音楽を楽しんだり、スマホを操作したりと、自由なスタイルでお風呂タイムを満喫できます。

日本人は世界でも稀に見るお風呂好きの民族と言われています。 寒いときこそお風呂を存分に楽しみましょう!

でも、寒い日のお風呂では、ヒートショック対策も忘れずに。

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