TOP > リフォームお役立ち情報 > 住まいと暮らしのお役立ち > 住まいの豆知識 > 奥が深~い!「ほうき」のあれこれ

最終更新日:2021/08/24(2012/12/09公開)

奥が深~い!「ほうき」のあれこれ

奥が深~い!「ほうき」のあれこれ

暮れの大掃除にちなんで、昔ながらのお掃除用具、「ほうき」のお話です。
掃除機でお掃除する人が多くなったとは言え、ほうきを使ったことがない人は少ないのでは?
ほうきについて調べてみると、実はとても奥が深くてびっくりです。

ほうきの歴史

神事の道具として

ほうきは、歴史をずっと遡ると、古墳時代から存在していたと言われています。

奈良時代のあたりまでは、掃除道具というより、神事に使われる道具でした。

ほうきで「掃(はら)う」は、「祓(はら)う」につながり、邪気を払い、悪いものを追い出す意味があったようです。

そういえば、酉の市で売られる熊手も、ほうきの一種ですね。

ほうきのおまじない

もともと神事に使われていたこともあってか、ほうきを使ったおまじないが現代に残っています。

妊婦さんの安産祈願として、おなかをほうきで右回りに3回なでると、ほうきで掃くように楽に出産できる、なんておまじないもあります。 悪い気を祓って母子共に健康に...という願いが込められているそうです。

また、長居するお客さんに早く帰って欲しい時には、ほうきを逆さに立てる、なんておまじないもありますね。 お客さんを家から払い出す...という意味なんだとか。

掃除道具として

やがて平安時代になると、ほうきは掃除道具としても使われるようになります。 掃除の役に立つ、と誰かが気付いたんでしょうか。

時代はさらに巡り、現代に至っても、掃除道具として使われ続けているというわけです。

今でも前述のようなおまじないが残っているのは、神事の道具としての名残りかもしれません。 なかなか奥が深い、ほうきの世界です。

ほうきの材料

箒の材料として使われる、3つの代表的な素材をご紹介します。

棕櫚(シュロ)

シュロはヤシ科の常緑高木です。シュロの樹皮を使ってほうきが作られます。

シュロは柔らかい素材のため、シュロのほうきでお掃除しても、ホコリが舞い上がりません。

また、シュロは丈夫で長持ちな素材なので、大事に使えば15年~20年ももちます。

植物性の油分が多く含まれているので、無垢フローリングで使うと、徐々にツヤが出てきますよ。

ホウキモロコシ

ホウキ草とも呼ばれるイネ科の一年草です。 ホウキ草の穂が、ほうきやブラシとして使われています。

ポピュラーな「江戸箒(えどほうき)」は、ホウキモロコシで作られています。 シュロよりも硬く、ゴミをサササッと掃き出すのに向いているため、江戸時代には定番のほうきでした。

しばらく使っているうちに先がチビてきたら、ほうきの先をカットすることで新品の使い心地が戻ってきます。 大事に使えば10年はもつそうですよ。


画像:白木屋傳兵衛公式サイトより

日本橋にあるほうきの老舗・白木屋傳兵衛さんが、江戸箒の元祖だそうです。 良いものは値も張りますが、職人さんが厳選素材で手作りした江戸箒は、芸術品のように美しいですね。

白木屋傳兵衛

竹のほうきは穂先の目が粗いので、地面の落ち葉を集めたりするのに使われます。 外の掃除には最適のほうきです。

天才バカボンに出てくるレレレのおじさんが持っているのが、まさに竹ぼうきです。

ほうきの種類

用途や大きさによって、ほうきにいくつか種類があるのをご存知ですか? 代表的なものをご紹介します。

座敷箒(ざしきぼうき)

畳のお部屋の清掃に使われる、一般的なほうきです。 昔から長く使われ続けていますね。

もちろん、フローリングの掃除にも便利に使えます。

土間箒(どまぼうき)

座敷箒よりも柄が長いほうきです。 土間という名の通り、玄関まわりの掃除に使われます。

柄が長く、腰の負担が少ないので、室内で使われる方も多いですね。

荒神箒(こうじんほうき)

荒神箒は小さなミニほうきです。

もともとは、かまどの周囲の掃除に用いられてきました。 かまどの神様である荒神様から、その名がついたと言われています。

小型でハンディーなほうきなので、机の上やサッシのお掃除に役立ちます。

ほうきに関するあれこれ、いかがでしたか? 掃除機が一般的な現代でも、ほうきにはほうきの良さがあり、根強い人気を保っています。

ほうきは音が出ないので、集合住宅にお住まいの方などは、重宝しているという方も多いそうです。

また電気を使わないエコなところも、大きな魅力ですね。

ぜひ、おうちのお掃除用具にほうきを加えてみてください。

住まいと暮らしのお役立ちに戻る