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火山灰の塗り壁とメンテナンス方法

最終更新日:2022/06/24

現在、日本の建物のほとんどは室内の壁にクロスを使用しています。 クロスは安価で施工しやすいことがその理由です。

しかし近年では、昔ながらの塗り壁が持つ、暖かみや性能が見直されてきています。

塗り壁としては、漆喰や珪藻土などがよく知られていますが、火山灰を使った塗り壁があるのをご存知ですか? ここではそんな火山灰の塗り壁をいくつかご紹介します。

薩摩中霧島壁(さつま なかぎりしまかべ)

「薩摩中霧島壁」は高千穂シラスさんの内装仕上げ材です。 名前に「薩摩」がついている通り、九州南部に広く分布する火山灰の地層「シラス」を主成分とした、100%自然素材の塗り壁材です。

シラスの主成分である珪酸は、吸湿性に大変優れているため、高い調湿効果が期待できます。梅雨のジメジメとした時期も快適に過ごせそうですね。 また、薩摩中霧島壁は、ホルムアルデヒドなどの有害な化学物質を吸着する性能や、消臭性、通気性、保温性も備えている、とても優秀な素材です。

自然素材を原料としているため、廃棄する時に化学物質を発生させることもありません。 火山の噴火活動で自然に産出される火山灰を使用しているため、環境に配慮したエコロジーな素材と言えます。

薩摩中霧島壁の塗り壁は、木の家に良く馴染む、ナチュラルな印象です。 淡くてやさしいベージュ系やグリーン系の色もラインナップされています。

機能性にあわせ、和室・洋室どちらにも合うインテリア性も、薩摩中霧島壁の大きな魅力です。

白州(しらす)そとん壁

美しい質感の「白州そとん壁」は、同じく高千穂シラスさんの外装仕上げ材です。 風雨や紫外線、水に強く、メンテナンスも簡単で、エコロジーな自然素材として、リフォームでも人気があります。

白州そとん壁の原料は、南九州のシラス台地に堆積した火山灰です。 シラス台地は火山灰主体のため、水を保持することができず、養分にも乏しいため、農業には適しませんでしたが、塗り壁の材料にはピッタリの素材だったのです。

地中海沿岸の街並みでは、石灰で塗られた美しい白壁が連なっています。 これは天然の虫よけ、伝染病予防として、アルカリ性の石灰を使ったのが始まりと言われています。

白州そとん壁の原料となる火山灰も、同様にアルカリ性です。

白洲そとん壁の特長

  • 褪色や劣化の心配がなく、20年以上メンテナンスフリー
  • 風雨や紫外線への耐性が強い
  • 素材そのものが通気性を持っている
  • 不燃材料である
  • 吸音効果がある
  • 蓄熱しにくいため、ヒートアイランド現象の緩和が期待できる

白洲そとん壁は自然素材のため、使用するうち、表面に細い亀裂が見られるようになります。 しかし、この亀裂によって水が侵入することはなく、凍結にも強い外壁となります。

外壁リフォームをお考えの方は、白洲そとん壁を選択肢の一つに入れてみてもいいでしょう。

アッシュライト

アッシュライトも火山灰を使った塗り壁材の一つです。

アレルギーの原因にもなるというホルムアルデヒドを吸収・分解するほか、調湿性、消臭性、抗菌性など、高い機能性を持っています。

アッシュライトはカラーバリエーションが豊富で、可愛らしい雰囲気のお部屋にしたいというご要望にも応えることができます。 左官仕上げで、ヘアラインやウェーブなどのユニークなテクスチャを持つ壁に仕上げることもできます。

※発売元の日本エムテクスさんでは、2018年7月現在、アッシュライトは廃盤となり、後継品として「天然スタイル土壁」を取り扱っているそうです。

火山灰の塗り壁のメンテナンス

シラスなどの火山灰を使った室内用の塗り壁は、軽くホコリを落とす程度のメンテナンスで長持ちします。 触っただけでポロポロ落ちてくるようなことはありません。手で強くこすってもほとんど落ちないくらいです。

まれに、白華現象と呼ばれる、壁の表面に白っぽい物質が浮かび上がる現象が見られることがありますが、白っぽい素材を選ぶか、表面を荒く仕上げることで回避できます。

特に液体の汚れがついた時には、染み込んで跡がついてしまうので、早めに汚れを除去した方がいいでしょう。

 

火山灰と似た性質を持つ、漆喰の塗り壁についてはこちらから。

参照:漆喰の塗り壁・漆喰クロス・漆喰塗料

火山灰の塗り壁を採用された事例

薩摩中霧島壁、アッシュライトを採用された方のリフォーム事例をご紹介します。