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住まいの設備

最終更新日:2021/03/30

キッチンのガスレンジをIHクッキングヒーターに変更できますか?

自宅のシステムキッチンはガスレンジなのですが、IHクッキングヒーターに変えることはできますか?

IHクッキングヒーターは安全性が高いと聞いて、ガスからIHに交換しようかと考えています。

ガスレンジも気に入っているので、ガスとIHの違いも知りたいです。

(荒川区・I様)

IHクッキングヒーターに関するご質問ですね。

インテリアコーディネーターの阿部容子がお答えします。

適切なリフォーム工事をすれば、ガスからIHクッキングヒーターに変更できます。

ポイント

  • IHクッキングヒーターには様々な種類があります。
  • IHへの交換工事の内容をご紹介します。
  • ガス・IHそれぞれにメリットとデメリットがあります。

IHクッキングヒーターの種類

システムキッチンのビルトイン型(ドロップ型)のガスコンロをIHクッキングヒーターに変える場合、日本のメーカーのサイズの規格は統一されているので、大抵のものが取付け可能です。好きなメーカーのものを選ぶことができます。

なお、海外の一部メーカーのIHクッキングヒーターは、規格が異なるために取り付けが難しい場合や、取り付けに大規模な工事が必要な場合があるのでご注意ください。

キッチンのガスコンロが据え置き型のものであれば、IHクッキングヒーターも据え置き型のものを、お好みでお選びいただけます。 据え置き型のIHクッキングヒーターも、各メーカーから発売されています。

ビルトイン型のIHクッキングヒーターを採用したキッチン。

業務用キッチンに据え置き型のIHクッキングヒーターを設置した例。

下記の記事では、メーカーごとのIHクッキングヒーターの違いをご紹介しています。あわせてご覧ください。

IHクッキングヒーターを比較してみよう!

工事の内容は?

システムキッチンのビルトイン型のガスレンジをIHクッキングヒーターに交換する場合は、200Vの専用コンセントを作るため、分電盤から電気配線を引きます。

新しい配線がそのままだと、表から見えるところに露出してしまうことになります。壁の中などに隠したい場合は、いったん壁を壊して配線し、またもとに戻します。その後、電気のアンペア数を20アンペアほど上げる工事が必要となります。工事のあと、契約変更の希望を電力会社に連絡してください。

なお、据え置きタイプのIHクッキングヒーターでも、専用コンセントがない場合は、同様に電気工事が必要になります。もともとIHクッキングヒーターを使用していて、別のIHクッキングヒーターに交換するのなら、電気工事が不要な場合がほとんどです。

壁付けキッチンを対面キッチンにリフォームした例。この場合も電気配線の工事が必要です。(江戸川区・M様のリフォーム事例より)

工事費用はどのくらい?

ガスコンロをIHクッキングヒーターに交換する場合のリフォーム工事は、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。費用の目安をご紹介します。

  • IHクッキングヒーター本体の代金:5万円~50万円
    (メーカー・型などによる)
  • 専用コンセント設置工事・電気配線工事:5万円~8万円
  • ガスの撤去工事費用:2万円~3万円
  • 搬入設置費用と既存ガス器具処分費用:3万円~4万円

※電気配線を壁の中に隠す工事をする場合などは、別途費用が必要です。

※現在のキッチンの状態によって、追加工事が必要になる場合もあります。目安としてお考えください。

通常IHの前に壁は不要ですが、奥様のご希望でホーローパネルを設置しました。(練馬区・U様のリフォーム事例より)

集合住宅では注意が必要!

マンションなどの集合住宅では、建物全体の電力供給量に限りがあります。 新しいマンションなら心配ありませんが、古いマンションでは各戸での電力割り当てが決まっていて、電気のアンペア数を変更できない場合もあります。

電気容量が少ないからIHクッキングヒーターを設置できない、というわけではありませんが、お料理をするたびに他の電気製品の電源をオフにしておかないと、毎回ブレーカーが落ちてしまうということにもなりかねません。

集合住宅のキッチンにIHクッキングヒーターを取り付ける場合は、建物の管理組合などに事前確認をすることをオススメします。 集合住宅にお住まいの方は、こちらのQ&Aもあわせてご確認ください。

マンションのキッチンを、IHクッキングヒーターに変更できますか?

安全でお手入れが簡単なのがメリット

「今までガスコンロしか使ったことがない」という方もまだまだ多いと思います。IHクッキングヒーターにもメリット・デメリットがあるので、ガスとIHのどちらがご自分のスタイルに合っているかで選ばれるといいでしょう。

IHの一番のメリットは、やはり安全性が高いところです。火が出ないので、誤って洋服などに火が点くような心配もありません。また、鍋をコンロから外してしまえば加熱が止まりますので、消し忘れの心配もありません。空気を汚さないので、頻繁に換気をする必要がないのも嬉しいところです。

ガスコンロと違って、使用時に上昇気流が起こらないため、コンロ周りや壁などが汚くなりにくいという良さもあります。 しかも、お手入れも簡単です。フラットな天板なので、吹きこぼれもサッと拭くだけできれいになります。

特に夏場に威力を発揮します

季節を問わずキッチンに立っているお料理好きの方ならご存知でしょうが、真夏の料理は暑くて大変なものです。沸騰した鍋を目の前に、そうめんを茹でる時のあの暑さ!

IHなら火を使わないので、キッチンもガスコンロのように暑くなりません。熱がこもりがちなキッチンでも、だいぶ暑さから解放されるのではないでしょうか。

また、IHクッキングヒーターでは、鍋の底部だけが加熱されるので、鍋の持ち手も熱くなりにくいのです。シチューをコトコトとろ火で煮込むことも、強火を必要とする料理もOK。美味しく安全に調理することができます。

デメリットもあります

IHクッキングヒーターのデメリットとしては、まず、停電時に使えなくなることがあげられます。これは仕方のないところですが、緊急時に備えてカセットコンロを常備されている方もいらっしゃいます。

そして、素材や形状により加熱できない鍋・フライパンがあるのもデメリットと言えるでしょう。使い慣れた調理器具を買い換える必要がでてきます。例えばアルミ製の鍋や、底が丸い中華鍋はIHクッキングヒーターで使用できません。また、最近の土鍋はIH対応のものもありますが、昔ながらの土鍋も使用できません。

ガスコンロの方が感覚的に使える、慣れているので使いやすいということで、リフォーム後もまたガスコンロを選ばれる方もいらっしゃいます。 お料理は、使う道具によってもっと上手にぐんと美味しくなります。コンロに求めるものは人それぞれだと思うので、ガスとIHを比較して、ご自分にぴったりのものを見つけてくださいね。

クッキング教室でIHを体験されて、納得して採用したというお客様も。(江東区・Y様のリフォーム事例より)

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