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最終更新日:2021/09/27(2014/10/07公開)
不要になったものを、新しいものの原料として使うリサイクル。
資源を節約できて、環境への影響も減らせるので注目されています。
様々なリサイクルがある中、「木」のリサイクルについてご紹介します。
「リサイクル」とは、不要となった製品を再度原料化して、新しい製品を作り出すことです。 ちなみに、不要となった製品をそのまま再利用することは「リユース」と呼ばれます。
木は、樹木として成長するあいだ、二酸化炭素を吸収し、根を張って森林の保水力を高めるなど、環境に大きく貢献しています。 伐採されて住宅の建材や家具などになり、数十年、数百年にわたって私たちの暮らしを支えてくれます。
これらの木をきちんとリサイクルして使うことで、一度役目を終えた後も、再び私たちの役に立ってくれます。 木は金属などに比べてリサイクルしやすく、とことんまで使うことができます。実にエコロジーですね。
私たちがリフォームをしていても、リサイクルの技術や仕組みが年々進化していることを感じます。
リフォームで古い建物を解体する際には、廃棄物が大量に出ます。木造住宅のリフォームでは、廃棄物の多くが木材です。 以前は、木材を含む様々な種類の建材を、全部一緒くたに廃棄していました。
しかし現在では、2000年に施行された建設リサイクル法に基づき、廃棄物の再資源化が進んでいます。 廃材を種類ごとに分けて再資源化し、リサイクルする仕組みが出来上がりつつあり、私たちも廃棄物から木材だけを別にして処理業者に引き渡す機会が増えました。
木造住宅解体時の廃材のリサイクル率も年々高まっています。 国土交通省のリサイクルページによると、建設発生木材の再資源化・縮減率は、2018年で96.2%になるそうです。
日本の国土は7割が森林、その4割にある1000万ヘクタールが人の手で植林された人工林です。 特に人工林は、適切に間伐を行わないと、豊かな水源を育む機能や、土砂災害を防止する機能が低下します。 また、木の根が浮いて風雪に弱くなり倒れてしまうこともあります。
しかし、林業従事者の不足などから間伐が行われず、状態の良くない人工林が増えています。 険しい山の中で木を切り倒し、山から運び出すのは大変な作業です。機械化が難しい作業も多く、間伐には大きな費用がかかります。
画像:林野庁ホームページより
近年、間伐を行う費用に充てるためにも、間伐で発生した木を上手にリサイクルしていこうという動きが高まっています。 間伐材の利用を進めることで、森林を健全に保ち、持続可能な森林経営を行うことができるのです。
廃材や間伐材などをリサイクルして作られたエコな製品をご紹介します。 燃料や建築材料から、文房具などの身近なものまで、いろいろな木のリサイクル製品がありますよ。
間伐材や製材時に出る端材などを原料として作られるのがバイオマス燃料です。 近年では、木材を粉砕して圧力をかけ、ワインのコルク栓のような円筒形に固めた「木質ペレット」が多く作られています。
木質ペレットは主に火力発電所で利用されているほか、木質ペレットを燃料としたペレットストーブも普及し始めました。
バイオマス燃料が燃えた後の灰は土に還り、肥料となって再び木々を育てます。 バイオマス燃料は再生可能なエネルギー源として、環境負荷の軽減に役立ちます。
木炭もポピュラーな木のリサイクル製品ですね。木炭には調湿効果や消臭効果があり、水質改善や土壌改良もできて、美味しいバーベキューまでできる万能な燃料です。
ホームセンターなどでは安い輸入木炭も売られていますが、各地の林業組合や製造会社で、間伐材を使った国産木炭を販売しています。せっかく使うなら、国産の木炭を使って日本の森林に貢献したいものです。
木炭を燃料として使うだけではなく、木炭を使った消臭ボードや園芸用品、インテリア用品など、様々な製品も開発されています。木炭の有効利用は年々進化しているようです。
廃材や間伐材をチップや粉にして加工することで、パーティクルボードやファイバーボードなどの建材に蘇らせることができます。 また、木の繊維からは断熱性のあるボードを作ることも可能です。
間伐材や端材の小片を接合して再構成する集成材も進化しています。大型で強度のある集成材ボードも登場し、様々な建築現場で活用されています。
エコリフォームでも、間伐材で作られた「Jパネル」をよく使用しています。味わいのある木目が感じさせながら、無垢材よりも強度に優れている品質の高いボードです。
Jパネルについて詳しくは下記のページをご覧ください。
廃材や間伐材は文房具としてもリサイクルされているのをご存知ですか?
高知県馬路村のエコアス馬路村では、間伐材を使った「エコフレンドリープロダクツ」というステーショナリーが作られています。
中でも木のはがきは、スギ・ヒノキの間伐材を厚さ0.15mmにスライスし、間に紙を接着したもので、割れにくくできているそうです。 木のはがきを送るのもわくわくするし、もらう方もうれしいですよね。
その他、うちわやマウスパッド、靴ベラまで、オンラインショップで気軽に購入できます。
紙製品を作っている株式会社 山櫻からは、間伐材をパルプの原料の一部に使った名刺が登場しています。
全国森林組合連合会の間伐材マーク「かんばりん」がついた可愛い名刺で、企業のイメージアップにも効果がありそうです。ビジネスでも個人でも使えます。
同じマークが入ったはがきや、「間伐材・間伐材利用コンクール」で審査員奨励賞を受賞した封筒なども、オンラインショップで購入可能です。
北星鉛筆株式会社が販売している「もくねんさん」は、鉛筆を作る際に出るおがくずをリサイクルしたものが原料になっています。 木のおがくずと害の無いノリで作られているので、小さなお子さんのねんど遊びに最適です。
もくねんさんはべとつきが少なくて成型しやすく、乾燥すると固くなって木のような風合いになる不思議なねんどです。 乾燥したら削ったり接着したり色をつけたりといった加工も楽しめますよ。
猫ちゃんのトイレとして、木のトイレチップ(猫砂)とマットをセットにしたシステムトイレが一般的になってきました。 消臭効果のある針葉樹の間伐材をリサイクルしたトイレチップは、ニオイをかなり抑えてくれるのでおすすめです。 針葉樹の消臭パワーはすごいものがあります。
ホームセンターなどには大手メーカーのトイレチップが並んでいますが、残念ながら原料として国産の木が使われているものは多くありません。そんな中、国内のいくつかのメーカーでは国産の間伐材をリサイクルしたトイレチップを製造販売しています。
和歌山県龍神村の川口建設では、紀州ヒノキの間伐材を100%使ったトイレチップ「森のねこトイレ」を製造しています。 香料や消臭剤を使わず、自然の力でトイレのニオイを軽減するトイレチップです。パッケージもとても可愛いですね。
各ネットショップで購入できるので、猫ちゃんを飼っている方はぜひお試しください。
エコリフォームでも、紀州の間伐材をリサイクルした割り箸を購入して、ご近隣挨拶の際にお配りしたりしています。
木のリサイクル製品を積極的に使うことで、微力ながら山と森林を守るお手伝いができたらうれしく思います。