TOP > リフォームお役立ち情報 > 住まいと暮らしのお役立ち > 暮らしを楽しむ > 無形文化遺産登録。和紙の魅力とは?

最終更新日:2021/09/29(2014/12/29公開)

無形文化遺産登録。和紙の魅力とは?

無形文化遺産登録。和紙の魅力とは?

手間を惜しまず丁寧に作り上げられる和紙。
和紙は日本の伝統技術で、1000年以上に渡って作られてきました。
2014年に無形文化遺産にも登録された、和紙の魅力をご紹介します。

ユネスコの無形文化遺産に登録!

2014年、文化遺産の保護を行っているユネスコ(国連教育科学文化機関)は、日本が推薦した「和紙:日本の手漉和紙技術」を、無形文化遺産として登録することを決定しました。

対象となったのは、「埼玉県の細川紙・岐阜県の本美濃紙・島根県の石州半紙」の3種類の手すき和紙です。ちなみにこの3つは、国の重要無形文化財としても指定を受けています。

無形文化遺産とは?

無形文化遺産は、芸術や伝統工芸など、ダンスや民族音楽などの芸能、儀式・祭礼、伝統工芸の技術などの「形のない文化」を対象としています。ユネスコでは、こうした無形文化遺産を保護する活動を行っています。

日本からも20件以上の無形文化遺産が登録されています。2013年には「和食」が登録されて話題になりましたね。 他にも、能や歌舞伎、人形浄瑠璃をはじめ、岩手県の民俗芸能・早池峰神楽(はやちねかぐら)や、茨城県や栃木県で作られている結城紬など、多様な文化が遺産として登録されています。

さらに詳しくは、文化庁の文化遺産オンラインをご覧ください。

●和紙が評価された点

和紙が無形文化遺産として登録されることになったのは、以下のような点が評価されたためと言われています。

4つ目の楮の主な産地は高知県、新潟県、茨城県です。1965年に3000トンを超えていた生産量は、2000年には約30トンと、1/100に激減しています。

海外から輸入された楮を使った和紙もありますが、無形文化遺産の3つの手すき和紙は、国産の楮のみを原料としています。 原料不足によって、和紙を作る技術が廃れることのないように願いたいものです。

●和紙の耐久性も魅力です

和紙は見た目の美しさや手触りなど様々な魅力がありますが、中でも特徴的なのは、耐久性に優れているところでしょう。

和紙は1000年以上も保存が可能だと言われ、文化財の修復にも使われています。 ただしこれは手すき和紙の場合で、機械すきの和紙や原料が異なる和紙は、そこまでの耐久性がないそうです。

強さとしなやかさを備えた手すき和紙は、他にも書画用紙や高級障子紙としても使われています。 身のまわりの和紙が1000年後も残る可能性があると思うと、ロマンを感じますね。

3種類の手すき和紙を知る

無形文化遺産として登録された3種類の手すき和紙の特長をご紹介します。

●細川紙(ほそかわし)/埼玉県

細川紙は、埼玉県の小川町と東秩父村で作られています。和歌山の紙すき技術がこの地に伝わり、江戸時代に盛んにつくられるようになったといいます。

明治時代には土地台帳や大福帳、記録用紙など、丈夫さが求められるものに広く使われてきました。徐々に需要が減少し、現在は和本用紙や版画用紙などに用いられています。

細川紙は毛羽立ちにくく、とても滑らかで丈夫な紙です。楮のみを原料として、流しすきで作られます。

●本美濃紙(ほんみのし)/岐阜県

岐阜では大昔から紙すきが行われていて、日本最古と言われる1300年前の紙も、美濃(岐阜)で作られました。この頃の和紙は写経用紙として使われていたそうです。

江戸時代になると、美濃の紙は最高級障子紙として知られるようになり、中でも100%国産楮を使って伝統的な技法で作られた和紙だけが「本美濃紙」と呼ばれました。現在でも障子紙として高く評価されています。

本美濃紙は流しすきで、縦横にゆらしながらすくため、繊維のむらがない仕上がりになります。上品な美しい紙です。

●石州半紙(せきしゅうばんし)/島根県

島根県西部、石見地方の石州半紙は、およそ1300年前に柿本人麻呂が紙すきの方法を教えたと伝えられています。江戸時代に大阪商人たちの帳簿用紙として用いられ、人気となりました。

明治時代には多くの家庭で副業として石州半紙が作られていましたが、その後機械化が進み、現在ではわずかな戸数が専業で紙すきを行うのみとなっているそうです。

石州半紙は、原料である楮の処理が他の2つと異なるため、より強靭な紙に仕上がります。光沢のある美しい和紙です。

和紙はこんなところで使われています

これまで紹介してきた手すき和紙は高級品ですが、機械すきの和紙や、原料の異なる和紙はお手頃なものも多いです。

絵を描く方なら、木版画や日本画、水墨画などの用紙として和紙が使われていることをご存知でしょうが、もっと暮らしの身近なところで使われている和紙をご紹介します。

●日常生活の和紙

和紙は、日本の紙幣にも使用されています。そう、あなたのお財布の中に入っているそのお金も、実は和紙でできているんです。紙幣用の和紙は、みつまたやマニラ麻を原料としているそうですよ。

忘年会や新年会などで時々見かける「紙鍋」も和紙製です。紙鍋は見た感じが贅沢なだけでなく、紙がアクを吸うので、中身がおいしくいただけるというメリットもあります。使い捨てできるのも衛生的ですね。

●ファッションの和紙

和紙は、昔から和傘や扇子、うちわなどのファッションアイテムにも使われてきました。

現代では、和紙製の服やドレス、コートも作られています。「紙でドレス!?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、平安時代には「紙衣」という紙でできた衣服があり、浄土真宗を開いた親鸞も愛用していたそうです。

原料にポリエステル繊維を使って、和紙の手法ですいた新しい和紙「SIWA」も誕生しています。マスクやバッグなどが製品化されているので、公式サイトを見てみてくださいね。

SIWA 紙和

●住宅の素材としての和紙

和紙は私たちの住まいでも非常に身近な存在です。和紙製品はモダンな中にも素朴な温かさが感じられ、インテリアとしても人気があります。

障子紙やふすまに和紙が使われているのはもちろん、和紙の畳や和紙の壁紙も登場して、人気を集めています。

▼和紙の畳

和紙畳を採用したリフォーム事例

畳の原料はイグサをイメージすると思いますが、和紙で作られた畳もあります。

和紙畳は変色しにくいため、長期間日焼けせず、青さを保ちます。 耐久性に優れ、ダニやカビが出にくいのもメリットです。

イグサの香りこそしないものの、お手入れも簡単なので、小さなお子さんのいるご家庭にもおすすめです。 詳しくは下記をご覧ください。

丈夫で長持ちの和紙畳

▼和紙の壁紙

和紙壁紙を採用したリフォーム事例

和紙は壁紙にも使われています。土佐和紙や越前和紙を使ったもの、柿渋や漆を塗ったものなど、様々な和紙壁紙があります。

和紙壁紙の一番の特徴は、湿度に応じて湿気を吸い取ったり放出したりする調湿効果があることです。 また、和紙壁紙の保温効果や吸音効果に期待される方もいらっしゃいます。

和紙壁紙はデザイン性も高く、現代の暮らしにマッチしています。柔らかな雰囲気の空間作りに一役買ってくれますよ。 詳しくは下記をご覧ください。

柿渋和紙・漆和紙の壁紙

丈夫で長持ち、美しく機能性も高い和紙は、魅力がいっぱいの素晴らしい素材です。

日本人が愛し、1000年以上に渡って受け継がれてきた和紙を、もっともっと生活の中に取り入れていきたいものですね。

住まいと暮らしのお役立ちに戻る

このエントリーをはてなブックマークに追加